えと、大槌さんの爆発力はすごいのよ。・・・福ちゃんに名前を教えてもらったので以下セヴィさんと書きます。
アジリティは自分の周りだけじゃなくて周りにも精霊様を拡散させちゃうからちゃんと、精神集中しないと駄目ね。
変な人たちとエンカウントしちゃいました。いきなり、虫けら呼ばわりは酷いのよ・・・。
う・・・、頭が痛い・・・。世の中のゴミ？害虫？無弁別なケダモノ・・・？ち、違う、私はただ、人間さんと仲良くなりたいだけなのに・・・。

兵士にであって、暫く口をパクパクさせていたヒナの魔力がまだ、魔力を注入していないのに突然上がった？見ると、目を細め、明らかにその瞳に怒りの色を見せている。コイツのこんな姿を見るのは初めてだ。いや、今から、出力を上げるつもりだったから手間が省けたといえば省けたんだけれど、まさか、暴走か？

間を介してくれる人間の存在というのはいつでもありがたいものだ。
ヒナ、と名乗る少女の言葉は分かるし、言語自体の問題ではなくどうもただ上手く伝わってなかっただけなのだろう。
「福ちゃん」、「風香お姉さん」と二人にも「はじめましてっ！」と快活な挨拶一つ、
改めて名乗って後、ヒナの返事に此方もうん、と頷きその中身に耳を傾ける。

そして少女が港町に済んでいた、と聞けば、奇遇ですね、と声を弾ませて。

出来る限り平易な言葉ではっきりと、ゆっくりと言葉を紡ぎ。
ふと、「福ちゃん」と呼ばれた少女の方を見て、目配せ一つにっこりと笑った。

シャリン——、シャリン——
　どこからともなく音がする。

　　　シャリン——、シャリン——
　　　　それは、だんだん近づいてきている、そんな気がする。