『エンブリオ２』


城門から城まで続く長い道、辺りは手入れの行き届いた庭園。
ここは「広庭」、私たちの目指す城に住まう、新王パラダイスのお膝下。

・・・・・・。
この道上で、誰か戦闘でも行ったのだろうか、妙に凸凹が激しい所に差し掛かった。

リーネの手を握ってあげて、転ばないように配慮する。
転んだところで大したことはないだろうが、彼女はどこかポヤーっとしているので心配だ。

・・・・・・・・・。
さて、この文章をお読みの諸兄姉たちには、一つ想像して貰いたい。



私と、見た目10歳程度の少女のリーネ、あと浮遊しながら追ってくる、盾のような岩のようなロキ

・・・その後ろを、二足歩行で可愛らしい黒い猫「ケットシー」が




なぜか俗にいう三下口調で、大声上げながら追ってくるのを。

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前回までのあらすじ！



喋らない無生物系ゴレム、「ロキ」と気ままな二人旅をしていたネロ　クロウド、通称「クロネコ」。

殺人とその弔いが至上快楽という最悪な癖を持つ彼であるが、ここ数年は平穏な旅をしており、
それに伴って今まで略奪してきた資金も底をついたため、一揆に乗じて一稼ぎと自分の心を満たす旅に出たのである。


その道中、「ルリアンナ」とかいうなんかモンキー・D・○フィみたいな帽子をかぶった少女に呼び止められる。

ルリアンナ　は　剛拳のラルフ（いわ/かくとうタイプ）　を　くりだした！



そんなわけで、一揆参加者に腕試しという名の辻斬りを実行していた二人組だったが、
何をトチ狂ったか、ENo的に、既に1600人以上もの人や亜人、あと珍獣とか、巨大植物少女とか、実験体とか、珍獣とか、
神とか、ロボとか、珍獣とか、鬼とか、妖精とか、軽トラとか、珍獣とか、小人とか、珍獣とか、猫とか、猫とか、猫とか。

とにかく多くの人に喧嘩売った挙句、
掟破りのバスター・オン・ドライバーという逆マッスルドッキングで尻が八つ裂きにされ、
そんな状態の剛拳のラルフ（いわ/かくとうタイプ）を、
わずか3ターンで沈めたことを自慢する恥ずかしくていけ好かないチンピラ野郎が、このクロネコである。


余談だがこのラルフ、出番終了後にまで、吟遊詩人の素敵ソングで辱められ、精神的にも肉体的にも追いつめられている。
頑張れ、剛拳のラルフ。負けるな、剛拳のラルフ。



そんな経緯から、ルリアンナとか言う
格好と名前的に元ネタは「愛少女ポ○アンナ物語」なんじゃないかな、と思われる少女から認められ、

エンブリオをの契約に必需品であり、この一揆の発端でもある王が独占したはずの
はなわにするとこうきゅうひんになる、あまくておいしくていいにおいのネクターを数本貰ったのであった。




ネクター数本を押し付けられたクロネコは、とりあえず野営と称して契約エンブリオのロキを枕に野宿を決め込む。

すると、なんということでしょう。

ネクターを貰った翌朝から、10代前半ぐらいの年齢の少女が添い寝しているではありませんか！
ネクターを手に入れた翌朝から、少女と添い寝ができました！

しかも少女はなんと人ではなく、エンブリオとして契約してくれるというではありませんか！
ネクターを手に入れた翌日から、少女と契約できました！


まるで悪徳商法の謳い文句か何かのような怒涛の非日常だが、ざんねん！　クロネコ　は　ロリコン　では　なかった！
そして、辻添い寝から契約を強要という、美人局の一種なんじゃないかと疑わしい行為者少女の名はリーネ。
闇系のエンブリオ、ジェイドの少女であった。

と、やっぱり新手のカツアゲだこれー！というリーネ曰く「契約料」のため、
その時不運にも　くらむら　から　ケット・シー　が　とびだしてきた！のをペットにするべく、
銃を乱射し、ゴレムにタックル☆ファンタジーさせながら、猫一匹を嬲る動物愛護法違反者クロネコ。

そんな、半殺しにしたケット・シーと契約を交わしたところ、なんとケット・シーは急に喋りだしたのである！三下口調で！



一体、クロネコたちの旅は、パラダイス王への一揆はどうなってしまうのか！？




そして、ここ二日の日記はシリアス方向だったのに、
突如としてシリアスに耐え切れなくなって、いつものクソ系文章に逃げ始めたPL！

絡んだこともない他プレイヤーの方をネタに使って、一体大丈夫なのか！？（主に頭が）

これはもうメッセージ及びエリアメッセージで、
猛虎落地勢若しくは平身低頭覇を各方面に使わざるを得ないではないだろうか！？



一体、クロネコたちの旅は、パラダイス王への一揆はどうなってしまうのか！？


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短く溜息を吐いて、さすがに無視できなくなったケット・シーに反応してみる。

・・・さすがに、私の前に回り込んで私の顔を見上げながら、
半分白目を剥き出すぐらいに「あっし小せぇ！！」と怒鳴り続けるのはやめて欲しい。

私が反応したことに気を良くしてか、嬉々として語るケット・シー。
・・・というか、旦那って私のことか。

急にトーンダウンして、しみじみ語るケット・シー。
しかし、本当に混血が疎外理由なのかと疑いたくなるぐらい、君は怒鳴る以外のコミュニケーション方法を覚えたほうが良い。

それが気味悪いんじゃ・・・と思ったが、逆を言えばそれまで喋れなかったわけで。
それならばにゃーにゃー言うケット・シーたちの間で、混血を理由に疎外されたと言われてもあながち嘘ではないかもしれない。

ふと、そんなことを思い出して、つい疑問が口をついた。
二十歳を迎えて喋れるようになった、ということなら、私との戦闘でも喋って然るべきだ。

なるほど、と納得しかけた私に、ケット・シーは首を左右に振って答える。

・・・納得しかけてた、10秒前の私を全力で殴りたい。

・・・・・・これは、売ってるんです？喧嘩を売ってるんです？
もしお望みなら、3人分私が大人買いして、利子付けてお返しいたしますが？

———と

ケット・シーの言葉に、リーネが小さく頷く。
・・・なるほど、と少し合点がいった。


———つまり私は、彼女の“それ”を恐れたのだ。

・・・どうやらそうでもないらしい、リーネ自身が、かくん、と首をかしげている。
というか、慣用句としては使い方からして間違っているのだが。

・・・・・・。
間違って言葉覚えるから、やめなさい。

足さないで下さい、掛けないで下さい。
名前からすでに混ざっているうえに、なぜ２体に増やそうとしたんですか。

しかもラリアンナといい、黒幕説といい、
前回のあらすじ部分みたいに、あなたも関係各位から怒られますよ。


はぁー、と少し長めにため息を吐くと、私は先に進むためケット・シーを置いて歩き出した。・・・が

兵士が武器を構える。

・・・なんだか、さらに面倒くさそうなのが来てしまった。
初対面で「虫けら」って、今日日物語の悪役でも言いませんよ・・・。

どこの抗争ですか。

・・・でも、まぁ、挑まれたら“買う”しかないでしょうね。

そう、私は名を呼んで、私の後ろにいるケット・シーに目を配る。

・・・・・・そこには、褐色で私より背が高い、黒色の長髪にネコミミの生えた、女性が立っていた。