正直なところ、今でもあの時あの場所にいたことを後悔している。

あの時。あの小さな村で起こったボヤ騒ぎ。
気にせずに通り過ぎていたらこんなことにならなかっただろうか。
それとも、別の何かでやはり変わらぬことだったのかもしれない。

ただ一つ後悔をしていないのは、この小さな少女が己の姿を苦にせずにいてくれることくらいだ。
そして沢山の後悔は、まあ、本当に沢山あるから列挙するにはちょっと気が引けるけれど……
彼女の美意識が、完全に壊れてしまったことは後悔というよりとても申し訳がない。
幸いにも近い年頃の女の子たちと行動を共にすることになり、彼女たちによって少女らしい愛らしさを身に纏ってはくれているけれど……

ああ、もう一つ。
私が彼女と契約してしまったことで、この子が“戦力”とされてしまったことは
後悔してもしきれない。
まだこれほどに幼いのに。
私は彼女……そして彼女達を
不完全な身体でできる限り、守ってやらなければならない。
現状はどちらかというと守られる側にいるから、とても不思議な感覚だけれど。
いつか、力をつけたら。