■三ノ日

　俺は、愛用の若葉色のパッケージにあるタバコを一本取り出し火をつけようとした。


　・・・ん？

　どういうわけかうまくいかなかったようだ。
　不良品かと思ったが、もう一回火をつけようとした。
　今度は成功した。



　・・・・・・・・・。



　今日の遭遇したモンスターはケット・シーとアメーバ。
　そこまであまり大して警戒するものでもない。
　ポイズンクラウドがずっと飛んだら若干面倒かもしれん。

　俺と行動する者達の得意分野も少しずつ把握してきたところだ。
　女は拳。双子の妖精は弓。そして天然そうな少女は弓。
　あの双子の妖精は魔法が使えるのだろうか。そうだとするならなかなか心強い。
　女は俺と同じタイプの近接型だ。シルフをエンブリオ契約しているのだろう。
　天然そうな少女は一番よくわからない。力はあるが手の内を見せるつもりもない。
　天然そうにみえるのは虚構かもしれんが。


　・・・ふむ。


　とりあえず、この先にいる兵士でどう考えているかは少しはわかるかもしれない。
　目の前の敵はわかりやすい脅威だが、こういう少数行動で一番怖いのは何か俺はよく知っている。



　・・・・・・・・・。



　よし、俺は小さな皮袋にタバコをいれた。
　次は少し気合をいれて・・・まぁ、俺だけ気合いれた所で仕方がないのだがな。