○年○月2日目。
この世界を渡り歩く"仲間"の募集に、3名が集った。
舞兎…飄々として捉えられないウサミミ——ここに来てその言葉の意味を知ったが——の暗殺者。
雪…謎の多い少女で、見た目の年齢と実際の年齢は異なるらしい。
ディック…復讐よりも探求を目的とする生き残り。
それに私をくわえた4名が、しばらくを共にする。

ラルフ殿は、その、正直肩透かしであったと言える。
私は最初、このような筋骨隆々な御仁ならば苦戦を強いられると思い込んでいたが、蓋をあけてみればなんてことはなかった。
しかし、私もラルフ殿を打ち倒すことは望んでおらず、ラルフ殿もまた、腕試しのような口ぶりだったことから、元々アレは試験のようなものだったのだろう。
であれば、"今"の私の実力を、私が知るためのいい機会であったといえる。
……幼い頃の好奇心(世間ではそれを厨二というそうだ)にかまけてあのように名づけてしまったが…。
有ろう事か、攻撃ではなく支援/回復に分類されるものだったとは思いも余らなきことであった。

さて。今日もまた当番制の炊事の時間だ。
今は、新しい暮らしに慣れていないもの同士、仲良くなれるよう勤めようと思う。