おしゃべりマシンガン娘に文字通り振りまわされた後、今度は休む間もなくガタイの良いおっさんと拳で語り合うことになった。
一応合格したらしいけれども、逃げる口実がなくなっちまって素直に喜べない。

そういえばおっさんと手合わせしてる時に武器のギターが突然光りだしたけれども何だろうアレ。おっさんと一緒にいた人遣いの荒そうなおねーさんがもうエンブリオと契約してるとか言ってたからその効果かな。俺は契約なんてした覚えないんだけど。普段弾く時にまで無駄に光るようになってたらどうしよう。

パーティの割り当て表を渡されて、集合場所に向かうと、そこには自分でも不思議に思うほどに見慣れたダークエルフのあんちゃんがいて驚いた。ここまでくるともう腐れ縁だな。世界はいくつか越えてるけれども、人付き合いの世界ってのはどこも案外狭いもんだ。

一緒に組む他の二人は初めて会う人だ。男の人と女の人？

男の人の方は耳の形からしてエルフの人かなと思ったけれども目が縫ってあってびっくりした。本人は慣れてるのか別に不便な様子は見られなかったけれども、なんか痛そうに見える。まじないか何かなのかな。髪も真っ白で変わった雰囲気の人だ。

女の人の方は魔族の人っぽい。静かそうな人だけど、一緒にいる南国の鳥がずっと歌っている。あの人が歌って覚えさせたのかな。歌ってる鳥とは別にひよこもいるから鳥が好きな人なのかも。

なんで一揆なんて起こすのかよく分からないけれども悪い雰囲気は感じないし、まぁ、なんとかなるんじゃないかな。そう信じたい。

ところで昨日から丸一日何も食ってない。