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「んー……コレも動かなんなぁ」


カードを1枚、左側に置いていく。
カードを1枚、また左側に置いていく。

そのカードはトランプのようにハートやらダイヤやらクローバーやらスペードやらとは全く違う、紋章ぽい何かが描かれている。
いつも攻撃に使うカードとはまた違う、これまた彼の持つもう一つの"武器"であるらしい。

しかし、その"武器"も飛ばされたのが原因か、異世界が原因か、ほとんどが動かなくなってしまった。


そんな"武器"を彼はやる気ない目のまま、1枚ずつ見ては左側へと手を進める。
そんなことを数回繰り返し——


「ぅあちゃー、最終手段の頼みの綱もあかんのかー」

と、最後の一枚をパシーンと左側のカードの丘に叩きつける。
そしてため息。

結局残ったのは、ラルフとの戦いで偶然発見できたドールマリオネットと呼ばれる魔の獣と"空"の封印用カードが数枚。
"空"のカードは最初から気づいていたが……さすがに"空"のカードをラルフに投げ込める訳がなかった。


『封印解除、行って来い！ラルフ！！』


とか、アウト過ぎてsakujoされちまう。
というか、彼がそんなセリフを吐かない。



唯一、呼び出せるドールも本調子ではないようで、ラルフを攻撃した後にすぐさまカードの中へと戻って行ってしまった……

「一揆やめてぇ……」

なんて、呟きながら……動かなくなった"武器"を片づけていく。

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暗い暗い小さいところ
深く眠った力はココに

そっと触れるは地の霊鳥
そっと触れるは元素の花

小さな奇跡は大きな手には伝わらない
気づくのはきっと先
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