この世界、メルンテーゼについて、エンブリオさんと契約して、とりあえず歩いていると城壁にたどり着いた。
　近づいていくと、どうやら僕と同じく『要請』に応じて招集された人達が集まっているみたいだった。
　知らない人ばかりだけれど、境遇が同じ人と一緒にいた方が何かと助かると思い滞在していると何か一人ずつやることがあると知ったので、参加した。

　一人ずつ進んで行き、そこそこの時間が経った所で僕の番になった。
　目の前に立っていたのは、にいちゃんと比べても遜色ない強そうなおじさん。なんと腕試しの順番待ちだった！

　とてつもなく怖かったけれど、エンブリオさんの力も借りてなんとか実力を認めてもらえた。この腕試しは、『要請』に応え、魔王…じゃなくて国王様に対して起こす『一揆』に参加する人が十分な実力を持っているのか確かめるためのものだと、受付の？ルリアンナさんという方が教えてくれた。
　かなりぎりぎりだった気がするけど、僕は十分な実力を持っていると判断されたみたいだ。

　説明が終わり、エンブリオと契約を結ぶのに必要な『ネクター』や他にいろいろ僕に渡してくれると、ルリアンナさんと腕試しのおじさん——ラルフさんは次の人のところへ行ってしまった。ラルフさんは疲れている様子だったけど大丈夫だろうか…。最初は怖かったけど本当は優しいおじさんなのかな…？


　そんなわけでこのメルンテーゼでの活動が始まったのだけど、ぼやぼやしているうちに周りの人達は各々一緒に行動する相手を見つけ、気づけば僕は一人で取り残されていた。いや、正確に言うとエンブリオさんは付いてきてくれるのだけど…。
　どうしてもう少し、積極的になれないのだろう…。セルフォリーフにいた時みたいに、誰かと合流できるまでは、一人でがんばるしか、ないや…。

　にいちゃん…どうしたらいいんだろう…。