おばちゃんとのであい


赤「藍ちゃーん」

何よ？もうお腹すいたの？

赤「ちがうよー・・・あのさ・・・」

どうしたのよ、ちゃんと言いなさいよ

赤「痛い・・・」

え？どうしたの？怪我でもしたの？

赤「ちがうよー・・・あのね、歯が痛いの・・・」

は？

赤「歯」

・・・はぁ、ちゃんと歯磨くって約束はどうなったのかしら？



赤「・・・えへ」



えへ　じゃないわよ！どうするのよ！？

前にいたところは私たちの事、知ってくれてたから見てもらえたけど

知らない人が私たちのこと見たらちょっとした事件よ！

むしろちょっとした事件で済めばすごいわよ！


赤「でーもー、過ぎたことは仕方ないじゃんー」

自分で過ぎたこととか言っちゃってるんじゃないわよ！？

赤「いーたーいー、歯ーがーいーたーいー」

うるさい！自分が悪いんでしょ、我慢しなさいよ！

赤「むーりー、さっきお医者さんみたいなおばちゃんがいたじゃん

　　そのおばちゃんに診てもらおーよー」

そういうことはちゃんと見てるのね・・・

っていうか、医者を見かけたから歯が痛いとか言い出したのかしら？


赤「・・・・・・」


何も言わないのは肯定ととるわよ

もう知らないからね、頭パックリ割れてるやつが来たなんて騒ぎになったら

走って逃げるからね！？



あの・・・すみません、歯痛・・・というか頭痛・・・というか

その辺に効く薬なんてお持ちではありませんか？


医者？「ああ、あるには有るけど両方にってのは難しいね
　　　　主にどっちが痛いんだい？」


えっと・・・頭が痛いだけなので、痛み止めのクスリをもらうだけっていうのはダメですか？

赤「歯ーがーいーたーいー」

なんてタイミングで騒いでるのよバカ！

どう言い訳するのよ！えーっと・・・んー・・・



・・・・・・あっ、エンブリオが騒いじゃってすみません

静かにしなさい！

赤「えっ、エンブリオちゃんどこどこ？お腹すいてきたかもー」


医者？「あ、あぁ、エンブリオだったのかい。よく喋る子だね
　　　　って、歯が痛いっていってたけど、エンブリオの歯痛か

　　　　んー、どんな子か見せてもらっていいかい？」


見せてといわれても・・・


赤「さっき食べちゃったよー」


医者？「んー、どういうエンブリオか解れば薬も出せることがあるからね、出来れば見せて欲しいんだけどー」

いや・・・実は今喋ってるのはエンブリオじゃなくて

赤「赤はエンブリオちゃんじゃないよー」

見せてもいいんですけど、驚かないでくださいね？

怪我とかじゃないですからね（ウシロムキ



赤「こんにちわー！」



医者？「はい、こんにちは・・・・・・・・・って頭に口が付いてる、そして喋ってる。これ髪の毛かまないのかい？」

はい、生まれたときからこうで・・・って気になるとこそこなの！？

自分たちが珍しいと思ってたけどそうでもないのかしら・・・

赤「髪の毛は食べないよー、美味しくないもん」

こいつはこいつで変なこと言ってるし・・・

美味しかったら食べるのね・・・そんなんだから歯が痛くなるのよ


医者？「あ、ごめんごめん。職業柄、似たようなケースを見てこなかった訳じゃないからね。ま、旦那の方の客でだけど
　　　　それはそれとして、じゃあ必要なのはこっちの口の歯痛の薬でいいのかい？
　　　　とりあえず、あーんして。」


赤「美味しいクスリがいいなー」

バカ言ってないで口開けなさい

赤「あー・・・・・・」


医者？「へー、ちゃんと歯も生えてるんだね、なら人間と同じでいーんかな。どれ
　　　　・・・おや、何か刺さってるね。抜くから口閉じたら駄目だからね」


赤「あーいー・・・」


医者？「取れたけど、こりゃなんだろうね。魚の骨じゃないし
　　　　何か心当たりあるかい？二人とも・・・二人でいいんだっけ？」




あー・・・それは・・・

赤「さっき食べたエンブリオちゃんだ」

エンブリオ食べたとかはっきり言わないでよ、恥ずかしいなあ・・・


私たちエンブリオを食べると多分契約できるみたいで


医者？「エンブリオ食べたのかい？はー・・・・・・。仕組みは解らないけど凄いね、ソレは。契約できてるのも凄いけど
　　　　ま、それはそうとして歯痛はど？治ってないならもっかい口の中見させて貰うんだけど」


どうなの？まだ痛い？

赤「んー・・・なおったー！ありがとーおばちゃん」

ありがとうございます


医者？「はいはい、どういたしまして。治ってよかったね
　　　　まぁ、今後は何か食べる時は口に刺さらないように良く噛んで食べるんだよ


　　　　さって、客もあんたらで最後だしそろそろ一揆に行くかね」


エンブリオ？「何言ってるデスか！治療したんだしお金をもぎとってやるですよ、ヴェリンダ！」

なんか出てきた・・・

医者？「あー、ウチの五月蝿いのがごめんね。お代とかは別にいいよ。薬使ったわけでもないしね」


エンブリオ・・・ですよね？
この子が言ってることはわかる・・・

私たちがさっき会ったエンブリオはハズレだったのかしら・・・

赤「前のエンブリオちゃんは何言ってるかわからなくてうるさかったけど
　　このエンブリオちゃんは言ってることわかるのにうるさいねー」

思いはしたけどはっきりと言うんじゃないわよバカ！

なんで前の子が言ってることはわからなかったのかしら・・・

赤「・・・おいしそう」ジュル


医者？「意思疎通が出来るってのは大事な事さね。今考えてみたらエンジェルは人語がわかるんだねぇ」

エンジェル「ふふん、このエンジェル様にかかれば人語なんておちゃのこさいさいなのですっていうか、そこのキモイ口はなんでエンジェルたべよーとしてるですか！

　　　　　　ヴェリンダ、こいつ危険デス！やっちゃうです！それから治療費もおいていくデスよ！」

ヴェリンダ「あー、うちの子がごめんね。ちょっとアホの子だから」

エンジェル「エンジェル様はアホじゃねーです！」

ヴェリンダ「ま、この子みたいに喋れるエンブリオも居れば喋れないのも居るみたいだし、エンブリオってのは様々だよ

　　　　　　たまたま人語がしゃべれないエンブリオだったのかもしれないね

　　　　　　食べちゃったってのにはびっくりだけどさ。良くお腹壊さなかったねえ」


意思の疎通・・・

赤「キモイ口だとー！チビエンブリオめー！今すぐ食べてやる！」

やめなさいバカ！

赤「ぐるるるる・・・」

人語が話せてもこんなものよ

さて、これ以上いると赤がその子を食べかねないからそろそろお暇するわね

赤「バーカバーカ！」

エンジェル「バカっていうほーがバカですよーだ！べーっ！とっとといくです、このヘンクチ！」

ヴェリンダ「あー、もう。アンタも大人しくしな、エンジェル。口が悪いよ

　　　　　　あぁ、引きとめて悪かったね。アタシもアンタで客は最後だし一揆に向かうかねぇ

　　　　　　あぁ、そうそう。折角だし名前教えて貰っていいかい？

　　　　　　アタシはヴェリンダ、この子はエンジェル。アンタらは？」

そういえば名乗ってませんでしたね、すみません

私が藍で、こっちが

赤「赤だよー」

私たちもこれから行こうと思っていたので

もし問題なければヴェリンダさんと一緒に行かせてもらってもいいでしょうか？

赤「多いほうがいいもんねー」


なんかそんな感じでヴェリンダさんと一緒に行動することになりましたとさ