Vanetta's Diary - Page.2

メルンテーゼに来て２日目。
初日は、……えーと、ルリアンナとラルフ、だっけ。
この一揆の主導者的立場……でいいのかしら？　の二人に、参加テストみたいのを受けさせられたわ。
実際戦ったのはラルフって言う方の、歴戦っぽいけど気の良さそうな、
それでいて滅茶苦茶弱かったおっちゃんだけだったけどね。

…………まあ、いろいろあって正式に（って言うのも変かもしれないけど）一揆参加者と認められて、
そこそこの援助もしてもらって、あとは魔王パラダイス──気が抜ける名前よね──の居城へ進んで打ち倒すだけって訳。
とはいえ実際その王様がどこに居るかイマイチハッキリしなくて、とりあえず虱潰しに探索してくださいってのも酷い話だと思うけど。
ま、一揆参加者は私達だけじゃないし、もっとやる気のある人も居るでしょうし、
私はこの世界を楽しむついでにいろいろ回ってれば、その内誰かが王様を見つけるでしょう。
その時になってから向かっても、悪くはないんじゃないかしら。多分。


あとは、毎度おなじみ……って訳でもないけど、それなりに機会がある同行者集め。
今回は？　今回も？　さくっと集まって一安心。
余程の変わり者や一匹狼でもなければ、お互いに同行者を探してるでしょうし本当に見つからないなんて事は滅多にないんだけど。

最初に一緒になったのはギラ・ヴェルナー。
全身まるで血塗れみたいな（っていうか明らかにその通りよね？　わざとああやってペイントでもしてるんじゃなければ）
重装備に、これまた見た目凶悪な……斧？　鎚？　を持った、聞いた話によると伝説の傭兵ね。
あの見た目でみんな話かけづらそうだったし、本人も無言で佇んでるわで最初はどうしようかと思ったけど、
まあほら、強そうな人が居るに越したことはないし、と思って声かけたの。
言葉数は少ないけど、特にバーサーカーだとかソロ志向だとかって訳でもなく、割とあっさり同行に同意してくれたわ。

そしてもう一人が、フェイ＝Ｅ＝メルアーヌ。
明らかに現地人じゃなさそうな、和装……でいいのかしら。そんな感じの格好の、なんと獣人。
と言っても外見レベル２ぐらいの獣人だから、耳と尻尾がある以外はほとんど人間と変わらないんだけどね。
そこそこ珍しいようなそうでもないような、そんな見た目が気になって声をかけたの。
異世界慣れしてそうな、私と似たような雰囲気が声をかけやすくしてくれたのかも。
しばらく話したり観察してたら、なんかニート気質を持ってる気がするけど気のせいだと思っておきましょう。

ひとまずは私とこの二人の３人で行動することになったわ。増えるも減るも運命の気まぐれ次第、だけどね。
さて、この世界では一体何が待っているのか。楽しみ。
それじゃ、そろそろ出発の準備をしないとね。