世界漂流二日目

　なんと言うことでしょう！あんなに強そうだった相手がいとも容易く──！

まぁ手加減されたのだろう。
にしても剛拳などと名乗っていたのにタックルとはどういうコトなのだ？
と言うか私のようなか弱い女性相手にタックルとはどういうコトなのだ？
あとこのラルフ鉱とか彼奴の名前が付いているのはどういうコトなのだ？
まぁ善いか。
　
一先ずは朗報、と書くべきだろう。
ナント働き者っぽい奴らが二人も共に行動してくれることになった！うむ！

………いやうん、一人は何だかこの世界の経緯から考えるに、元殺人鬼か何かが世界を渡って逃げてきたか新たな獲物を探しに来た狂戦士ではないかと思うのだが──
警戒に越したことはないだろう。

なんと恐ろしい世界なことか……


もう一人は捕らえ所のない感じの奴だが、まぁ何だか楽しむためには動きまくるタイプの奴のようだ。
ただまぁ、アレと一緒に行動しようって思えるのだから（自分もだが）もしかしたら一癖あるのかもしれん。

さて、一先ずは庭園のようであるが……
この世界の実力が垣間見えるだろうか
　
　▽▽エンブリオについて▽▽
どうにも私が手に入れたものは水を司るもののようだ。
仮にウンディーネとして、従来の創造系と操作系術式を組み込んでみたがエラーが出ている。

ただし全く手応えがないわけではない。

まず、所謂天然の『力』を持たぬ私でも力を引き出せたことは大きい。
これはどうやら"魔力石"に近しい物質なのではないかと考えられる。

ただし、石ではなく生物と言うべきか──
もしかしたら"新説！第二創世記"に載っていた"精霊"という奴がこれなのだろうか。
あれには精霊という旧四大元素を基礎とするものが存在したと言うが、あれ（精霊）は私の世界では"新ミレニアム理論"で否定されている。
もし旧四大元素を元に考えるのであれば、"旧ミレニアム理論"を持ち出す必要があるが──

さて、行き成り詰まったぞ。うむ。