「ぼく」の日記

気がついたら、見たこともない景色が広がっていました。
知らない場所に来るのはもう慣れっこなので、特に何も思いませんけど
なんだかやたら物騒なものを持っている人が多いようで、それが少し心配です。
でも、一番心配なのは集団で踊り廻っているぼくたちの方に視線が集まっていることです。
恥ずかしいなあ、もう。
こればっかりは、いつまでたっても慣れません。


どうやらぼくたちはめるんてーぜ、という場所にやってきたようです。
ラルフさんと、ルリアンナさんという方が教えてくれました。
悪い王様のせいで困っているということも教えてくれました。
ここにいる人々はその王様をやっつけるための一揆に参加しに来た人たちだということも教えてくれました。
そして、ぼくたちもその一員と見なされていることまで教えてくれました。
知りたくなかったです。
もっというと、あまり関わりたくなかったです。
でも、こういう流れはいかにも「かみさま」が好きそうなので、逆らうだけ無駄なような気がしました。
無駄でした。
気づいたときにはラルフさんが倒れていて、ぼくたちは一揆の一員になってしまったのでした。
まあ、ぼくはこの集まりの責任者でもなんでもないし、そんなことを決める権利なんてないんですけど。
それに、どうせ普通に生きていくことなんてできる訳もなし。
こういう形で根付いていった方が、まだぼくたちに対する周りの視線も和らぐかな、とポジティブに考えることにしました。


いつの間にか、ぼくたちの中に知らない人が混ざっていました。
いえ、知らない人が混ざること自体はいつものことなんですが、なんとその人たちとは普通に喋ることができたのです。
「きょうじゅ」や「どうけし」以外に、普通に喋ることができる人が増えて、とてもうれしかったです。
これからも仲良くして欲しいなあと思いました。



・今日の「かみさま」
今日は「かみさま」を二回見ました。
一回目は、ラルフさんとルリアンナさんの話を聞いているとき、興味深そうに話を聞いていました。
でも、すぐに消えちゃいました。
二回目は、夕ご飯を食べるとき、すごいスピードで料理をみんなの前に運んでいました。
顔は見えなかったけれど、いつものように笑っていたんじゃないかな、と思います。