———メルンテーゼに到着から数日

地球とは違う世界、メルンテーゼに着いたワシは情報を得る前に寝床を探すことにした。
が、当然無一文で泊めてくれるようなところはなく、仕方ないので近くの小川を拠点にすることにした。
川があれば少なくとも、水分補給と洗濯、身だしなみを整えることはできる。
頑張れば魚も捕まえられる。

ともかく生きていく準備はでき、後は一揆とやらに参加するのみだった。

王に逆らうのがどうなることかは誰だって想像はつく。
そして隼人は、それを誰よりも知っている。

反乱を行う。それは反乱は王の定めた秩序を壊す。
秩序が壊れれば無法となる。
無法となればそれは混沌を招き、混沌はやがて青人草を枯れさせる。

この一揆がどこまで続くか。
それはわからないが、長く続けば続くほど混沌と化すのではないか。
そうなれば被害は数え切れないほどに……

突然喋りだした妖精。
こっちにきてから死んだような目をしていたが、いまではすっかり生き生きしている。

ぺこり、という擬音が似合うように頭を下げる。

ニコニコしている機械的な妖精。

困ったように目を伏せる。
何にこまっているのか。

ワシに聞くなや、という言葉を飲み込み、次に思いついたのは師匠の考えること。

『あの子に名前つけてやりなさい』

たぶんそういうのだろうな。

ぱぁっと笑みを浮かべる。

きゃっきゃっ、と周りを飛び回る。
妖精だから、とはどういうことなのかはわかっていない隼人。

名づけるなんて突然のことに対処できず、頭を抱えている。
逆に妖精のほうはわくわくしており

わーい、と飛び回るアルエ。
しゅんしゅんと高速回転もしている。

一方の隼人はそんな様子を黙ってみている。

これはたぶん、師匠の嫌がらせなんだろうなとおもいつつ

そうじゃないだろ、と内心つっこみつつ、しかも言いたいことが伝わってない気がする。
師匠め、とつぶやき

隼人をおいて先にいこうとするアルエに追いつこうとする。

思い出すのは記憶にある似たような子。
自分への嫌がらせか、それとも……

嫌がらせだろう。
そう結論づけ、アルエの後を追いかけた。


———
小川から離れサバイバル生活をやめた隼人一行。
探すのは家賃０PS電気水道そのほかもろもろ０PSの超優良物件。
しかし隼人。そんな優良物件はどこにもないぞ。
どうする隼人。また小川に戻って雑草を食む生活に戻ってしまうのか。
頑張れ隼人。そろそろ雑草は飽きてきたぞ！

次回 【タンポポ荘においでませ】

極道の生き方から目をそらすな！

ルナ　は　いやなかお　をした

昼下がり、貴方は急に腰辺りに鋭い痛みが走ります。

どうやら足元に鎌状の杖らしき物が落っこちてるのが見えます、幸い軽傷の様子。

どうやら、物騒なブツの持ち物らしき人物が声をかけてきます……
っが途中で言葉を止めます。　なんだがどこかで聞いた声な気がします。

貴方の顔を見た瞬間、戸惑いと恐怖を混ぜたような表情をした後、よろけながらも走り去ろうとします。
貴方の足元に鎌？を忘れたまま。