宗斗はそれから彼らと一緒に遊んだりをしてきた
他愛のない遊び、他愛のない会話
しかしそれは彼がいくら望んでも手に入らないものだった

それからはさまざまなことがあった
宗斗は——自分では気づいてないが——昔と同じお節介焼きに戻ったり
2人以外の友人も増えてきた

しかし、一番大きな出来事は、2人が付き合うようになったことだろう
彼らはお互い好き合っているが、一歩を踏み出せない理由があった
それは2人の家庭事情だった。
2人は捨て子で共に施設で育ち、そのころから仲がよくいつも一緒にいたそうだ。
今の2人の両親は妻が子供が生めない体質で施設から子供—女の方—を引き取ろうとした。
しかし、2人は絶対に離れたくないと泣きながら言ったそうだ。
初めは1人しか引き取るつもりはなかった両親だったが、そんな2人を見て幸いうちは裕福だから、
と2人を引き取ることを決意した
実の息子娘のように扱ってくれる、そんな両親に2人は感謝をし、実の息子娘として生きていこうときめたそうだ。

そんな事情を親友の男の方から聞かされた宗斗は、2人の親友の恋を応援しようと決めた。

まずは手始めに2人の両親に対して2人の事情を説明した。
両親たちは息子たちの恋愛を縛りたくはない、そういってくれ、2人の恋を認めてくれた。

宗斗は両親の気持ちを伝えたが、それでもまだ煮え切らない2人に
「確かに今までと関係は変わるかもしれない、2人のことを祝福してくれる人は少ないかもしれない」
「でも、そんなこと関係ない。2人の気持ちが大切だろ？お前達の気持ちはどうなんだ？」
と、そうやさしく言った
そしてその言葉を聞いた2人は付き合うようになった。
そして幸せそうな2人に彼らに少しは恩を返せたかな？と思ったりもした…

そんなある日、宗斗はその運命の日を迎えた

親友2人が最近付き合うようになって、
さらに2人とは別の学校に行くことになり、
彼らといる時間が減り、宗斗は寂しさを感じていた。
（確かにあいつらが付き合うようになったら、
一緒にいる時間が短くなるなんてわかっていたことだけど、やっぱり寂しいものだな）
そんな自分に苦笑いしながらも彼はいつも通りにバイトへ向かう
そしてその道の途中、救急車のサイレンの音が聞こえ、そちらの方へ目を向ける
そこには何かを抱きしめながら血を流して倒れている2人の姿があった。

「…え？」
宗斗の声から漏れたのは間抜けのような呆然とした声だった。
それも無理はない、今目の前にある光景は彼の想像の外のものなのだから
周囲の人を押しのけ、2人の下へ近づこうとする
しかし現場の近くに着いたときにはもう2人は救急車へと運び込まれていた

「う、うああああああああああああああ…！！！！」
突然大声を上げた宗斗に不審な目を向ける人もいたが、
そんなものを気にしている暇はなかった。

ただ、大声をあげ続けることしかできなくて、そんな自分に嫌気が差した…

それからどうやって家に帰ったかは覚えていない
バイト先に事情を伝え、休みをもらったような気もするし、
誰かが自分を心配して声をかけてくれていたような気もする
何日か病院へいって二人の状態を確認しに行ったが面会謝絶だったような気もする
ただそれだけだった

誰もいない、両親もめったに帰ってこない、そんな家で彼は呆然としていた
そして家のドアからインターフォンがなる
(…誰、だ？)
両親はインターフォンを鳴らしたりなんかはしない
考えられるのは誰かのセールスか親友たちかだが、後者は絶対にありえない
2人の血に塗れた場所を見てしまっていたから
思い出し、吐き気がする
しかし一応対応はしておかないと思い、家のドアを空ける

そこには2人の両親がいた…

久しぶりに見る2人の両親の顔は少しやつれていた
思わず目をそらす宗斗に2人の両親は2人の様態を伝えた

トラックにひかれた2人は頭を強く打ち脳に損傷を受けたらしい
そしていつ目覚めるかどうか分からない遷永性意識障害—植物状態—となってしまったらしい

言葉を失う宗斗に2人の両親はあるものを手渡す
それは2人がトラックに轢かれても胸に抱え持ち続けた荷物だったらしい
そして2人の両親はまだ2人のそばにいたいと病院へと戻っていった

そして2人の両親がいなくなった後、宗斗はその荷物を開けた
そしてその中には2つの手紙と眼鏡、腕時計が入っていた
その手紙には2人の感謝の言葉と目が悪いくせに眼鏡をかけない、以外と時間にルーズなくせに腕時計をつけていなかったから
プレゼントしたい、お誕生日おめでとうというメッセージが入っていた

今まで泣くのだけは抑えていたが、もう抑えられそうにもなく、彼は涙を流した

そして荷物を抱えながら、なく宗斗に何か声が聞こえたような気がした。

「そんなに悲しいならその２人を助ける方法を教えてあげよっか？」

そして彼の目の前にはどこか不気味な1人の少女が立っていた

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ラルフを倒し、一揆へと参加した宗斗
同時参加をし、パーティを組むことになった3人を見渡す

二階堂　みさこ、自分が通っている二階堂学園の学園長の娘
彼女は学内で唯一付き従える妖怪を持たない生徒だった
それゆえ少し浮き気味だったため、宗斗は彼女のことを気にしていた

白附　愛沙美、どこか危なっかしい少女
他人に流されやすく、危なっかしく、何度か彼女のことを助けた記憶がある

そして、上銜 月緒、小さい同級生
人を殺していた少女
彼女のことは学園にいた頃からよく分からなかった
「……それを拾えば私達は仲間だ……ただ、お互い支えあっていこうというだけだよ……何もおかしい事なんてないだろ？誰だって一人では生きていけないのだからね……」
彼女はそういっていた
はじめは彼女に反発しようとしたが、自分にそんな資格はないと思い言葉を抑える
いろいろと怪しいところはあるが、自分の目的に利用できるとおもい放置しておこうと考えた

そんな自分に嫌気がさすが、それよりもと彼女らの元を離れ、指定された場所に向かう

そしてそこには、
「やっとあえたね、偽善者のおにいさん？」
どこか不気味な1人の少女がいた…