一揆とやらに参加することにしたのはいいものの、まず何から始めたらいいのかわからなかった。集まっている人の中を右往左往する。

　きょろきょろと間の抜けた顔を丸出しにして見回すと、まさに多種多様と言える人達がいる。人間、人間のように見える人、人間に近いがそうではない人、人間でない何か、なんだかわからない何か。
　

　なんとはなしに、肩からさげた虫カゴを見る。芋虫（アニマのだいちゃん）と顔を見合わせた。お互いに首を傾げる。

　締まりのない笑顔でにへらーっと笑う女。すごく頭が悪そうだ。
　そんなことをしているうちに人々が少しずつ動き始めた。どこへ向かうのかも知らないがひとまず置いていかれてはたまらないと、ぱらぱらと進む人の流れを追いかけることにする。

　……ゆあには真剣味というものがなかった。










　…………。

　ゆあがついていった人々は小川を逆に辿っていっているようだ。昼間でも星空のように輝く小川は本当に美しい。

　水の中に見慣れない影が見えた気がする。魚のような、そうでないような。

　笑顔で、見知らぬ生物であることを期待して、あまりにも無警戒に近寄っていく——。

樹は、不思議生物と呼ばれ、眉（のように見える葉）を寄せた。

　

　

　

　

そんな風になだめていた眼鏡の女は、
あなたの興味が今度は自分に向いたことで驚き、身動ぎした。

　

　

　

突然のアプローチに、異形の少女は混乱する。

予想だにせぬ、そして次から次へと続く言葉に、反応が追いつかない。

驚いているものの、かわいいと言われたことを含めて、満更ではない様子だった。