「さて、後はお嬢様を待つだけね」
力試しを終えて後は待つだけ、下手に行動するよりは待っていたほうが早いはず。


数刻ほどしてお嬢様が戻ってくる。そばには見知らぬ少女がいる。お嬢様より少し小さいけど……
「ヘイルー。拾ってきた」
「捨ててきなさい。というのは置いといて、どうしたんですか。お嬢」
こういうことには慣れている。とはいえいきなり拾ってきた。なんて言われても困る。見た限り人間だし連れてきたとでも言って欲しいけど……
「何かこう、倒れそうだったからね。ちょっと連れてきたのよ。多分何にも食べてないだろうし」
お嬢様の言う通り、確かに相当やつれている。年齢は私より相当低く見える。
「私は構わないけど、一緒についてくる？」
少女に話しかけると小さくうんと頷いた。成り行き上一緒に行くことになったけど問題無いだろう。
「私はデュヘイル＝エルフェリム。ヘイルでいいわよ。あっちが一応私の主のレフィリス＝ローゼ」
「あっちって何よあっちって！」
「一週間竹輪のピーマン詰めの刑」
嫌いなピーマンに食べ飽きた竹輪の刑は多分辛いだろう。竹輪美味しいじゃないの
「……私はシャーベット・アズライト。アズって呼んで。お姉さま」
「え、おねえ……まあ、いいか」
確かに年齢的にも見た目的にも私のほうが上だろう……ただ、この呼ばれ方はちょっと想定してなかったというか。
「あら、いいじゃないの！ほら、私もお姉ちゃんって呼んでみて！」
私の呼ばれ方を見てお嬢様が立ち直った。相変わらず立ち直りは早い
「よろしく、レフィリス」
「うー！」
相変わらずお嬢様はお嬢様なようだ。とにかく、新しい同行者とともに進んでいこう