■ニノ日

　愛用の若葉色のパッケージにあるタバコ。
　俺はいつものように一本取り出し火をつけた。



　・・・・・・・・・。



　タフな男だったな。

　振り返ったのはこないだのラルフ戦の腕試しだ。
　俺は相対している間、常に男の中に眠る恐ろしい何かを感じた。
　俺もそうだが、手加減していたのはむしろあの男の方だ。
　命のやり取りをしたら間違いなくやられていただろう。

　それに、好ましくない話ばかり思い当たる。

　他の一揆の参戦者の力量も俺と同等か。
　いや、違うな。俺の腕より優れた者が多い。
　外見から判断して侮っていたら痛い目を見るかもしれん。
　たとえば、俺の横を通り過ぎたバニーガールも実力者であることに気づいた者は・・・


　ああ、普通に多いか。


　・・・ふむ。


　とりあえず、一人ではどうにもならない。
　この集団でコウジョウセンとやらをするには、
　俺単独よりは、他の者達と一緒に組むことが望ましいか。



　・・・・・・・・・。



　よし、行くか。

　とりあえず、暇そうな連中を片っ端から捕まえるという比較的難易度の高い仕事だ。
　日ごろソロや予めメンバーが定められている俺からすれば、
　今回ばかりは骨が折れることになるだろうな。

といいつつ自分の胸元の服の位置を敢えてずらしつつ
微笑みかけた