成り行きで押し付けられたチドリを、手馴れた風にひょいっとベッドに横たえる。
のん気に寝こけている彼女を見ながら、いい時間になっていることに気がついた。

エレインはかなり夜に弱い。普段ならもうとっくに寝ている時間だ。
しかも今日は、かなりの距離を歩いた後でいつもより疲れている。
…そんな状況で、一気に睡魔が襲ってきていた。

言うと自分の部屋に戻り、ベッドに身体を投げ出して———程なく眠りに落ちた。

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

翌朝、身支度を整えた後チドリの部屋へ向かう。
泥酔していた彼女にしてみればこれが事実上の初対面な訳で、最初は「誰？」といった感じだった。
が、細かいことを気にする性格ではないらしく、事情はすぐ理解してくれたようだ。

そこではたと気がついたのは、エレインはこの世界での仲間がまだいない。
それならいっそのこと、コノエ達に合流してしまうのも手かも…などという考えが浮かんでいた。
コノエと、もう1人の女性の持つ翼にも、大いに興味があったからかもしれない。
———まあもっとも、枠が空いていればの話だが。

そう心に決めて、コノエに指定された場所へ向かうことにした。

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

結局エレインは、コノエ達と同行することになった。

一見、簡単に騙されそうに見られがちなエレインだが、その実人を見る目はしっかりしている。
また意外と勘も鋭いので、本当に危険な目に遭ったことは今まで一度もない。


その直後、足りないものを買いに少し離れた時のこと。
街中の人ごみの向こうに、銀髪の少年の後ろ姿がちらついた。

その瞬間、全速力で駆け出していた。

何故か貴方は正座させられてしまった。