…まぁたまには働いてもいいかなとは思ってる。
そりゃできる事なら部屋でゴロゴロしてるのが最高とはいえ、新しいゲームを買うお金も欲しいし、お姉ちゃんの目も痛いし。
でも、だからといって、電気の確保すら出来てない場所で働かなくてはならないなんて。

「たまにはいいんじゃないの、アウトドアライフでも楽しみなさい」

人の気も知らずにお姉ちゃんが言う。
こんな事になるとわかっているならDSくらい持ってくるんだった。
本当はGG辺りが好みだが、電池をリュックサック一杯に持ってくるのは何かの修行にしかならない。

「お姉ちゃんは私がゲームをやってない姿を想像できるわけ？」

無言の冷たい目が此方を睨めつける。
くっ、ほんの少し私より働いてお金を稼いで真っ当に生きているだけのくせに。

「ま、まぁ持ってきたのがGCでよかった、ヘタなハンマーよりも固いし、乱暴にしても壊れないし」

フタを開けると、行く前にぬらりのおっさんから貰ったソフトが青白く輝きながら入っている。
これはソフトなんだろうか？電源を繋げばわかるのかもしれないが、今はどうしようもない。
わかるのは、これを入れてるとなんか水の力を行使できたという事くらいだ。
どうやって使ったのかは私にもよくわからないが、『こうした方がいいんじゃないか』となんとなく伝わってくる。
もしかしてこのソフト自体も妖怪か何かなんだろうか。そんな感じはしないけど。

おっさんは他にもソフトを沢山くれたが、全部無地になっていて今入れてるソフト以外はまともに…
あれ、なんか白く光ってるのが増えてる、なんだろう…？

と書かれたボードを手に持ったままぺこりとあたまをさげました。