————————————————————————

そして、お二方と出会いました。

といっても普段はあまりお話したことのないお二方でしたが・・・
私よりもとても勇敢な方々です。少し変わった一面も見ました。

　＊

一方はたまに空に向かってぶつぶつと喋っていらっしゃいます。
誰と話しているのでしょうか・・・。

もう一方はこの間日記の書き方でご相談を受けました。
お礼に毛をくださったので、手持ちのお守りの袋の中に入れることにしました。

————————————————————————


————真夜中の焚き火の番。

　寝床の周囲にありとあらゆるお札や加護の魔法をかけてお二方の安全を確保した後こっそりと抜け出し、ゴレムさんとともに約束を果たしに行きます。

　ゴレムさんののっしのっしという足音がいつも以上に大きく・・・体が軋む音も気になるくらいにあたりは静まっています。

・・・だ、大丈夫です。お祈りはしましたから、1時間くらいなら死神様も見逃してくださるはずです。

ゴゴゴと腕を持ち上げ一方を指差します。

雨が降って少しした後の小さな水溜りという感じの大きさですね。
水溜りの周囲には特には何も・・・

水溜りを覗きこむと私とゴレムさんと・・・もう一人の像が見えます。

私は一瞬後ろを取られたのかと振り向きましたが・・・誰もいません　霊的存在にも反応するお守りも反応しないということはつまり
本当にこの水溜りの中にいるということになります。

しかしそこにいたのは・・・

瑞々しい青緑の髪・・・体中の鱗・・・下半身には魚の尾・・・

ばしゃっ

ゴレムさんが水溜りに手を入れようとしますが・・・水溜りの像の向こう側に世界があるとかいう感じではなく、像が揺らいで波紋が広がるだけでした。

・・・なるほど　封印されているということなのでしょうか。

　＊

結果から言うと封印は解除できたのでこの間の出来事は省略します。省略です。

助けた(?)マーメイドさんは自ら生成した大きな泡の上でぽよぽよとはしゃいでいらっしゃいます・・・。

・・・なるほど　そういう方でいらっしゃいますか。

　＊

結果から言うとこのマーメイドさんとエンブリオ契約をしましたのでこの間の出来事は省略します。省略です。