私とした事が……。ここ連日の多忙さに振り回されて日記を蔑ろにしてしまった。
まるであの人のような、これでは三日坊主と笑われても仕方がない。
次からはこのような事のないようにしていかなければ。

なかなかお互いの息が合わず不振の続いていたパーティも、多少の諍いや口論こそあったが最初の勝ち星を挙げてからは見違えるようになってきたと思う。
それこそ日記の存在を忘れるほど、今は各自の士気も上がり攻城戦へと気持ちが向かっている。
やはり勝利というものは人を前向きにさせるようだ。
あのそば男も一時の落ち込み様が嘘のようにはしゃぎ回っている。
……成人である彼に対してこのような表現は吝かではないかとも思うが、いかんせん私の語彙力では表現しきれない。

それにしても、ようやく……ようやく私はスタートラインに立った気がする。
限られた世界の中で己の実力を過信していたあの時とも違う。仲間すら見つけられずにいたあの時とも違う。
確実に前へと進める。そう確信に近い何かを感じる今は。