プロローグ


とある路地裏

また新しいごろつきどもが現れたらしい
そう思いながら、ニケは冷たい壁を背にしてした。

彼らはやっぱりこんなセリフが好みらしい
そして彼らはこちらにその太い腕を伸ばしてくる……


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それ以上言葉は紡がずに、裏路地の酒場のマスターは温かいミルクの入ったカップを置いていく
キャスケットという名前はこのマスターが呼び始めた名前だ
私がいつもこのかぼちゃ柄のキャスケットを被っているからだと、そう言っていた

ぼやく、お気に入りだった洋服は真ん中から刃物で切られている
見られて困るものでもないが、面倒なのがまたよってくるので軽くピンで止めることにする
軽くホットミルクに口をつけ、カウンターに伏す。



パサッ

ふいに頭の上に何かが置かれた

見てみるとそれはダブルジッパーの真っ赤なパーカーだった。

そういうとマスターはまた他のところにいってしまった

パーカーを羽織、もぞもぞと破けたほうを脱いでいく
脱ぎ終わった破けた服を、いつもの手順で塵化するとそれをカウンターに置いて外にでた。

薄暗い路地裏に出たその時、不思議な感覚に包まれる。

それはどこかから体を引っ張られるような感覚、しかしそれは拒めばすぐに収まるようなもので……
しかしニケはその感覚に任せるように力を抜いた、ここではないどこかへつれて行ってくれるのならそれでもよいと



そうして、ニケはこの世界からいなくなった。
それは本当の猫のように突然に。

しかしそれはこの世界ではよくあること

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そうしてメルンテーゼの大地に落とされたニケ
自分の影になにかが潜んでいる気配もしたが、流れのまま一揆に参加することになる

そして都合よくタンポポ荘計画に出会い、昔と似たようなカフェバー「リチェッタ」で過ごしている。