—それは僕が屋敷で勉強をしていた時のことだった。
勉強というよりもサボって庭で遊んでただけでその帰りに自室に戻った時のことだけど。

いつも僕の部屋に置いてある筈のお気に入りの大きなぬいぐるみが忽然と姿を消していた。
僕以外に持って行く人なんて、この屋敷にはいない筈。
何処へ消えちゃったんだろう、屋敷の中をぐるりと探し始めることにした。

僕の部屋以外、勉強部屋、さっきまで遊んでいた庭。
探してみたけれどその大きなぬいぐるみは見つからなかった。

きっとそうだと思って、僕は従者の部屋へ向かおうとしたんだけれども
その時わけがわからないことが起こった。

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気がついたら目の前にあったのは大きなお城。
何でいきなりこんな所に来てしまったのか、訳がわからない。
お父様やお母様は？皆何処に行っちゃったの。

振り向くと其処に居たのは僕が探していたぬいぐるみだった。
だけど、僕のぬいぐるみは喋りも出来なきゃ動くこともできない。
それが今目の前に居るぬいぐるみはどうだろう。
喋りもするし、動きもする。何がどうしてこうなっているのやら。

よく分からないんだけど、僕とポプリは契約？しているみたい。
契約ってなんのことなんだろう、というか此処は何処。
屋敷は何処に行っちゃったの、僕此処から帰られるのかな。
…それにしても、ポプリが思っていたより口が悪いような。
僕の周りは口が悪かったり目つきが悪かったり何処かしら悪い人が集まるのかな。

迷ってうろうろしていると赤い髪のお姉さんとじっと見られ挨拶をされ
かと思いきや、大きなおじさんが此方にやって実力を…って

よく分からないけど僕の旅はなんだか始まったみたい。
…一人ぼっちでこんな知らない所を歩かなきゃいけないのかな？
ポプリが居てくれるからまだいいんだけど
帰れなかったらどうしよう、お父様やお母様に会いたいな。