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俺らは海に浮かぶ島に住んでる。当然だけど"人間"と"動物"と"魔物"がいる。
お前らにはわかりきったことだろう。

だがらこそ、"普通"に思うお前らに言っておこう。

元素の世界とか常闇の世界とか空想の世界とか、ファンタジーでも"普通"とか思うかもしれない。
だが、"現実"はな、"この世界"は違う。

この世界は『"魔物"はいないことになっている』
この島以外を探しても、"魔物"がいないところが圧倒的だとさ。

嘘だと思うだろ？だが、よく考えてみろ。
たまにやってくる旅人の様子はどれもおかしかっただろ。
それもお前らが生まれる前から、俺が生まれる前から、歴史として刻まれている。

それがここが"例外"という証拠さ。

心配すんな、"例外"は"変"という意味ではない。
その"例外"から魔物の力を逆手に使う技術が生まれた。寧ろ、誇るべきなんだ。



俺らは強い人なんだと。

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と、小さい頃に散々言い言い聞かされてきたが……
その力は要は"元敵"であり、俺らの力ではないと思う。

確かに、この島は封印術・召喚術は"世界"に誇れるものだが……
実際に世界に1歩踏み出せば、格闘術やら魔術やら"自身"の力を持つ人は山ほどいるわけで。
この技術はものすっごい薄れてしまう。

寧ろ、魔物がいない世界じゃ自慢する前に嫌われること必須。
若者が「旅したい！！」といって出ていっても速攻で泣いて帰ってくるレベルに。



そうなると、その技術を教えている身にしては必須なことだとしても少し気が引ける。
そう思わなくとも、やる気はない。やる気はない。



ものすっごいやる気はない。



……もう何度も言わすな、めんどくさい。
ついでに、説明口調やめぃ。


…………


だが、これが俺にとっての"普通"…………やと思てた。
そんな世界にとって特殊な"小さな世界"はココだけやと思てた。



でも、違うものやったんやな。





「……あれ、ココどこや？」



昔に聞いてたファンタジーは実在していたことも知らんかったし、
そして——



「あら、エンブリオとはもう結んでいるのね。だったらまぁ大丈夫だと思うけど……」

「……はい？」

「念のためっ…ラルフ！ラールフー！！いまこっち来れるー？」

「スルーすんなや」



どう聞いても、俺がいる"世界"での"例外"が、この世界では"普通"ってこともな。

世界は、広いんやな……



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