【非営利団体 一揆】入社0日目

●業務日報●


——目が覚めたら知らない世界でした。

割と慣れっこですが、さすがに今回は真顔にならざるを得ません。



まずは自己紹介をいたしましょう。
私はリーゼロッテ・フォン・アウストリアと申します。以後お見知りおきを。

親しい方はリィズとかリィゼと呼んでくれます。前者のほうが多いですかね。



あ、これ、業務日報とか書いていますが、そんな大層なものではないのです。
予めご了承くださいと、お断りしておきます。


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さてさて、今日は今日に至るまでの説明をさせてもらおうかと思います。
まだ入社直後ですので。


諸事情ありまして、私は破滅と再生を繰り返す別の世界でいろいろと奮戦していたのですが……
気がつけば全くの別世界であるここにいましたというわけです。（大雑把）

ここの経緯を詳しく説明できるなら、私だってこんなことはしてないです……。


この世界に来てからの一番の懸念は、元いた世界で当然のように使っていた魔導術、平たく魔法と言ったほうが通じるでしょうか。これが使えるかどうかだったのですが、今のところ支障があるようには感じませんので、まあ生きることには問題無さそうな感じではありました。

とは言うものの、ずっとこの世界にお世話になるわけにもいきませんし、情報収集を始めた私が出会ったのが、この団体。
非営利団体『一揆』なわけです。

一揆って会社だったのですね。
私も日本の勉強がんばっていますが、まさか会社だったとは。
日本、すごい。
というか、認可されるのか。


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聞くところによると、この世界では私の世界で言うところの『魔力』を得るために、“ネクター”というものが必要らしいのですが、それを王政府が独占してしまったとのことで、一大事になっているようです。

民衆の生活基盤を奪うなど、民衆の模範たる王のすべきことではありません。許せないです。
おこです！

ネクターってなんでしょうかね。貨幣通貨みたいなものでしょうか。
国が自国の通貨を集める時というのは決まって戦争直前という感じなんですが、今回もそうなのでしょうかね。
世界侵略とか……

……うわぁ、なんか現実味がありますよこの世界だと。



そんな王権の横暴に、民衆もさすがに我慢の限界らしく、王権に対して反乱をしようということで設立されたのが、この会社、非営利団体『一揆』。


情報収集の過程で、偶然にもその中心人物の一人に出会った私は、今まで鍛えてきた魔法と狙撃の腕を評価していただき、この反乱に加担することになりました。
私自身この世界の、王の王たる由縁すら放棄した王に、一言物申したいことがあるので、頑張ります。






……私、アルバイトって初めてなんです！　たのしみだなぁ〜。





コホン。

全体的にユルいですしね。私もゆる〜く行こうと思いますよ。



さて、その勧誘を受けたはいいものの、すぐに入れるわけではないようです。
入るために面接？という儀式を行い、忠誠心を見せなければならないようです。

実は会社ではなく、宗教だったようです。


メンセツヨーコーというものを頂いたので、読んでみると……

『持ち物、武器』


クレイジーな予感しかしない！
なんだこの早速先行き不安になる団体は！

世界を正すためには、時にはクレイジーさも必要ということなのでしょうか。

この会社の社風はなかなかにワイルドですね。