人にはもう、頼るまい　と　
強く思った記憶がある。


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最近、頻繁に夢を見るようになった。
いつから「そう」だったのか覚えてこそいないが
頻繁である　と、ワードが真っ先に浮かぶほど感じる事からすれば
少なくとも真新しい変化なのだろう。

それは一人の少女を辿る夢であった。
幼さの残る控えめな出で立ち、見知らぬ人に別れを告げて一人何処へかと続く道を往く。

少女は次の夢で髪を切った。
次の夢では修練に明け暮れて日々を過ごし
次の夢では景色の違う土地、町並み
次の夢もまた違った趣の土地に立っている
…どうやら各地を転々とし旅をしているらしいと理解をしたのはもう少し夢を見進めた後であった。

少女は年をとっていった。緩やかながらしっかりと。
あどけない面持ちに紅を引いた。服を換え、荷を捨てて
言葉の使い方も幾分か乱雑になる反面艶を帯び
一点を見据える双眸にたたえた光がより一層強くなっていくのを感じた。

ああ、これは私か


確信のように感じた頃はいつだったのであろう。

それは同時に覚醒とも取れる鮮烈な明るさを脳裏に齎し
瞬間現実ながらにハッと目を醒ました。

どうやら眠っていたらしい。どれほどかとも知れぬ長い間。


飛び込んでくる光景に覚えはない。
香り、土、木々のつきかたより生まれ育った地ではない事を理解する事に然程時間はかからなかった。
軽く眩暈を覚える頭をゆるく振って立ち上がった。
一体何があった　己は、どうなったのだ。