目が覚めると手足に枷をはめた少女が私を見下ろしていました。
感情をともさない瞳に見下ろされながら、私は自分の状況を確認しようとしましたが失敗しました。
どうやらまた自分の知らない世界へ招かれてしまったようです。

目の前の少女はこくりと頷くと私に手を差し出しました。
私はその手を取って立ち上がると、周囲を確認しながらプレミアさんと現状況の確認をしました。

プレミアさんは無口な方で、私の質問に首を縦か横にふるかで答えます。
そんなやり取りの中で何とか分かったことと言えば下記の通りでした。
１．お互い異なる世界の住人であること
２．私とプレミアさんがいわゆる「契約」状態にあること
３．この世界については何も知らないこと
途方にくれてしまいそうでしたが、とりあえず人が集まっていそうな場所を目指すことにしました。
何処に行けば良いのでしょう……。

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移動しようとすると、プレミアさんは私の袖を握ったまま首を横にふるふると振ります。
しょうがないので私はプレミアさんの手を握ると歩き出しました。
少し安心したのか、プレミアさんは静かに私の後ろをついてついてきました。
何やら大きな子供の様な方なのですと考えていると目の前に人の様なものを発見しました。

肩と腰に合計4つの手を持つ怪異。
私がびくりと肩を震わすとプレミアさんもギュッと私の手を握ります。
お互いが緊張して近づいてくるそれを見ていました。

しばらくしてそれは私達の前までやってきました。
怪異と関わるのは嫌ですが、もしかしたら目の前のそれがこちらの標準的な住人の方なのやもしれず……。

この後の会話で分かったことは会話が噛み合わないか意味不明なことを羅列するかで意思疎通が難しいということ。
困ったなと思って視線を下げると、私は見知ったものを見つけました。
涙目で私を見つめる黒と白の衣装が印象的な少女。

猿ぐつわをされ縄でくるくる巻にされた彼女の服はぼろぼろでぐったりとされている様子でした。
私はそれ見て見知った人物に合えた安心感と、また何か失敗したのかなと言う不安を覚えるのでした。