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![]() | 一揆参戦 1日目! - Diary |
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風が吹いてきた。 城の門を見下ろす小高い丘の上に二人の人影が現れた。一人は長身で丘を上ってきた風に煽られるケープを気にした様子もなく無造作な足取りで、もう一人の小さな人影は少々強いその風に体勢を崩されて多少辟易しながらも、相方の周りをくるくると飛びながら。二人は寄り添うように丘を上り終え、そこからの景色にしばし足を止めた。 長身の男は色が抜け落ちてしまったような白い髪を後ろで無造作に束ね、薄汚れた装備に身を包んでいる。元は何色だったのだろうか、外套や鎧、衣服は長年の冒険によってすっかり色褪せ、落ち着いてくすんだ白になってしまっている。どちらかというと細身で、身に付けている鎧も革の胸当てと軽装だ。むしろその装備からすれば重厚過ぎる籠手と長靴が異質に見えた。彼に纏わりつくようにしてその周囲を飛び回るもう一人の少女は青草色の衣服に身を包み、丘に投げかけられる優しい光を金色の髪が反射している。こちらも軽装で、彼女に至っては鎧の類さえ身に付けていない。人間にしては小さく、そして何よりもその背中には虫が持つような翅があった。妖精なのだ。 何から何まで対照的な二人だった。 「アイ、お城が見えたよ。」 歩き尽くめ──もっとも彼女の場合は飛んでいたのだが──で、しかも自分を飛ばしてしまいそうな風にさすがにうんざりしていたのか、妖精の少女は多少ほっとした様子で傍らの男に声をかけた。それでも、彼女はどちらかといえば楽しそうでこれから起こることに期待しているのかその声は弾んでいた。久し振りに二人だけの旅だということも理由にあるのかも知れなかった。 対して、呼びかけられた男はそれほど楽しそうでもない。無表情のままで眼下の城門を見下ろし、その前に出来た人だかりの一人一人を見分けようとするかのように目を凝らしている。それなりに端正な顔立ちで、真面目な顔で黙っていれば振り返る者も少しはいるかも知れない。だが、血の色をした瞳は今は冷たく、近寄ることを許さない雰囲気に満ちていた。 つい、と男の片頬が持ち上がる。どちらかといえば皮肉っぽい、口の端を吊り上げるような笑い方で男が鼻で笑った。 「アイってば〜。早く行きましょ?」 そんな男の様子を気にした風もなく、傍らの妖精は彼の隣に来て袖を引っ張った。それでようやく気づいたかのように男の表情が緩む。妖精に視線をやるときには、その表情から冷たさは霧散したかのように跡形もなく消えていた。 「メイリー、ホントにイクのかよ?」 急かされた男は妖精にそう問い返した。それもそのはず、彼らが見下ろしている巨大な城門は、陽の光が優しく降り注ぐこの丘とは対照的にどんよりと澱んで見えた。城の門の前に集まった者たちは何かを声高に叫び拳を突き上げている。あまり穏やかな様子ではない。分かり切っていながらも敢えて確認するようにして、アイと呼ばれた男は相方の妖精にもう一度聞いた。 「ホントに、イイんだな?」 「もちろん。さあ、行きましょ!」 相方の元気な答えに、男は諦めたように肩を竦めて呟いた。 「ヤレヤレ、オタカラでもあるとイイんだケドねェ……。」 + + + この世界は、様々な世界の積み重ねから成り立っている。分割世界と呼ばれる各々の世界が多層構造で積み重ねられたここは、それぞれに全く異なった世界がお互いにつながり合い、ひとつの大きな世界を形成していた。全く異なったルールを持つ世界同士ではあるが、そこでは比較的自由に行き来が出来た。それは他の世界から持ち込まれたものを、これらの分割世界は自らの世界観の中で消化してしまうというシステムゆえだ。つまり、どんなにその世界にとって異質なものを持ち込んだとしても、これらの世界は各々の世界観に合わせて当てはめ、還元してしまうという機能による。これにより、お互いの世界観は維持されたままで相互の行き来が成り立っているのだ。無論そこには不利益も存在する。ひとつの世界から別の世界へ渡る際に、分解され再構築される過程で経験や技術といったものが失われてしまうのだ。知識や記憶は維持されているとはいえ、それまでに培った技術や能力が失われてしまう。そのため、多くの住人たちは自らの世界だけでその生を全うする。一々物見遊山で素人に戻っていては生活が成り立たないからだ。だが、それでも一定数、それもかなりの数で、世界を渡る者たちがいるのも確かだ。その世界の中で立ち行かなくなってしまった者。新たに自らで切り拓く新天地を求める者。そして各世界の遺跡を探索し一獲千金を夢見る者。そういった、いわゆる根無し草たちは、その時その時、あるときは噂から広がった頼りない情報を信じて、あるときは所属する集団で共有されている確かな情報を元に、世界を渡る。彼らは探索者、あるいは冒険者と呼ばれていた。 + + + 二人は丘を下り始めていた。一直線に群集の方へと向かっていくことからして、彼らの目的地もそこらしい。下草に隠れたおうとつや茂みを難なく避け、軽い足取りで道もない坂を下っていく辺り、こういった道なき道を歩くことに慣れているらしかった。特に長身の男は無造作な様子で足早に坂を下りていく。ともすれば飛行していることで障害物の影響を受けない妖精を置いて行きかねないほどの速度だった。注意を払っていないように見えるが、時折鋭い視線で辺りに目をやり草木や動物たちが作り上げた天然の罠を巧みに避けて進んでいく。その上、何気ない様子で選んでいる道程は彼の背後を飛ぶ妖精の通りやすい道を選んでいるのだった。 「メイリー、ホントにイクのかよ?」 男が前方、群衆が叫んでいる辺りに目をやったままで再び妖精に聞いた。その視線は鋭い。 「せっかくここまで来たのよ、今さら怖気づいたのアイヴォリー?」 メイリーと呼ばれた妖精はくすくすと笑いながら冗談めかした調子で男に答えた。普段とは違う、いわば彼にとってのフルネームでそうしてからかわれ、男の表情が苦笑交じりの渋いものになる。 「ヤレヤレ、仕方ねェな。」 お決まりの台詞に、お決まりの肩を竦める動作。いつも繰り返されているやり取りなのだ。 無論、アイヴォリーという明らかに偽名だろう名前で呼ばれることに慣れているこの男にしても、ここまで来て引き返すつもりはない。ただ、彼女の意志を確認しているだけだ。 ──何せ、今回は探索ではなく反乱なのだから。 心の中にその小さな不安を押し込めて、アイヴォリー=ウィンドと名乗る男は彼女に気を遣いながらさらに丘を下って行った。 + + + 元素の世界、メルンテーゼ。二人が訪れた今回の舞台は、よくある分割世界のひとつだった。他の世界よりもいわゆる精霊の力が強く、誰もが何かしらの精霊と契約をしてその影響下にある。この世界でエンブリオと呼ばれる精霊たちは、自らの方向性に合った加護を契約者に与えるのだ。 だが、今その世界でひとつの問題が起きていた。世界を統べる王と呼ばれる一人の人物が契約を独占してしまったのだ。正確には契約に不可欠な要素であるネクターという花を独占した。住民たちはこれに怒り、王に対する反乱、一揆を始めた。これが大きな世界であればそういった揉め事もひとつの国の中の問題であり、他の国からの干渉によってそれほど大事にならずに解決したのかも知れない。だが、メルンテーゼは小さな世界であり、世界に存在する権力者は王が一人いるだけだった。 ここに世界中の住民対王という、とんでもない図式の争いが発生してしまったのである。さらに、住民たちは他の分割世界に対しても協力を要請した。無論、再構築による初期化の影響もあってまともな者たちはそれほど応じなかった。だが、世界を渡ることが日常である者たち、つまり探索者たちが集まり始めたのである。 + + + アイヴォリーとメイリーは、ようやく丘を下り終え城門へと向かっていた。この反乱は始まったばかりだ。まだ住民たちも城門の前に集まって王の不条理を訴えるだけだ。丘の上に比べれば確かに空気が澱んでいる。それはあの丘とは違って、既にこの場所が怒りや争い、それに伴う高揚感に支配されているからだ。それでも、思ったよりかは長閑な雰囲気であることにアイヴォリーは独りで安堵した。恐らくは世界が小さいからなのだろう。少なくとも自分がこれまでに見てきた戦場に比べれば格段に平穏そうに見えた。 探索者は基本的に戦争はしない。無論本来の職が兵士であるものや傭兵などが探索者を兼ねていることもない訳ではないが、探索者としては戦争に参加することは滅多にない。それは、彼らが組織だった大規模な戦闘ではなく、もっと個人の身を守るための戦闘に特化しているからだ。名のある使い手である探索者だからといって、大人数同士がぶつかる戦争で活躍できる訳ではないのだ。 だが、アイヴォリーはこういった光景には慣れていた。探索者などという自由な放浪者を選ぶより以前に、嫌というほどそんな景色を見てきたのだ。といっても、彼の役割は戦争で先頭を切って敵に切り込むことではなかったのだが。もっと平穏そうに見える日常、だがその中に一触即発の火種を抱えている際どい状況。そういった環境で、時にはその最後の点火役になり、またあるときは火種をもみ消す役割。 アイヴォリーは、かつて暗殺者だった。 彼が偽名を名乗るのは、ひとつにはそうした後ろ暗い過去があるからだ。人を効率良く殺すための道具として育てられ訓練された暗殺者は、そもそも辞めることなど出来ない。自らが死ぬか、もしくは運良く老年まで生き延びて後進を育成するような役割に到達するまで永遠に使い込まれる。その連鎖から抜け出せる者はほとんどいない。その数少ない例が彼だった。身体の許容量を大幅に超えた服薬と魔術による強化、護符やお守りの類までを総動員して一時的に人間を辞めた彼は、同じ地域にいた暗殺者の同僚たちを皆殺しにして出奔したのだ。そんな例を見ない裏切り者を組織がそのまま見過ごすはずはない。 もうひとつには、探索者としての彼の役割にあった。暗殺者時代に身に付けた身体能力と技術は、彼を忍ぶことの熟練者にさせていた。速やかに潜入するために、仕掛けられた罠も含めて彼に開けられない扉はなかった。そうした技術と知識から、彼がシーフ──職業盗賊になるのは容易かったのだ。探索者のチームの中で、探索中に遭遇する様々な罠や危険を見抜き避ける。宝が収められた金庫を破り目指す宝物を得る。そういったことに慣れた人間もチームには必要なのだ。だが、そういった盗賊たちの中には、いわゆる本職の盗賊たちもいて一般からは歓迎されないことも多い。だから揉め事を避けるため、彼らの中には偽名で通す者も多かった。 + + + 「アイ、あそこじゃない?」 傍らの妖精が少し高くまで飛翔して人ごみの中から何かを見つけ出す。他の分割世界から協力者としてここへ来る者に対して、形ばかりの指揮官が存在した。といっても実際に彼らを指揮する訳ではないから元締めといったところだろうか。何にしても、呼びかけに応じてやってきた者たちは初めに彼らに会うように言われていた。遠目に赤い髪の女と体格の良い男を確認し、アイヴォリーは小さく頷く。 「気を付けろよ、メイリー。アクマでもコイツは反乱ナンだからな。」 そう、これはどれだけ長閑であっても、一揆という反乱だ。つまり権力者への反逆だ。もし運悪く敵の手に落ちれば、あまり想像したくない結末が待っていることだろう。だからこそ、自分が上手く立ち回らなければならない。森から出てきたお人よしの妖精の少女よりも、自分の方がそういった場所に馴染んでいるのだから。 アイヴォリーは、傍らの大切な相方を護るためにどうすれば良いのか、それだけを必死で考えていた。 一日目──“到着” |
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![]() | Main Action 1 |
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特にありません。 |
![]() | Battle!! |
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![]() ![]() 攻城戦を開始!
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アイヴォリー は以下を装備!
【防具】 簡素な革胸甲( 服 / 20 / - / - / - ) 【装飾】 薄汚れたケープ( 装飾 / 20 / - / - / - ) |
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![]() ▼アイヴォリーの行動!
アイヴォリーのAGIが上昇! ▼ラルフの行動!
アイヴォリーに 151 のダメージ! |
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![]() ▼アイヴォリーの行動!
ラルフは攻撃を回避!
▼ラルフの行動!
アイヴォリーは攻撃を回避!
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![]() ▼アイヴォリーの行動!
“右と左の鎌鼬” ラルフは攻撃を回避!
▼ラルフの行動!
アイヴォリーに 153 のダメージ! |
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![]() ▼アイヴォリーの行動!
Critical Hit!! Critical Hit!! ラルフに 751 のダメージ! ▼アイヴォリーの連続行動!
Critical Hit!! ラルフに 544 のダメージ! ▼ラルフの行動!
アイヴォリーに 156 のダメージ! |
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![]() ▼アイヴォリーの行動!
Critical Hit!! ラルフに 692 のダメージ! ▼ラルフの行動!
アイヴォリーは攻撃を回避! |
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![]() ▼アイヴォリーの行動!
Critical Hit!! Critical Hit!! Critical Hit!! ラルフに 798 のダメージ!
▼ラルフの行動!
アイヴォリーに 145 のダメージ!
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4 CP を獲得! |
![]() | You can advance!! |
ネクターをいくつか預かった。
アイヴォリー(344) は ルリアンナ材 を獲得! アイヴォリー(344) は ラルフ鉱 を獲得!
そう言って、2人は去っていった。 |
![]() | Main Action 2 |
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![]() 特にありません。
![]() [物Lv.10]シルフ を成長させました!(Lv.10→11、CP-10) [物Lv.11]シルフ を成長させました!(Lv.11→12、CP-11)
![]() 特にありません。
![]() メイリー(449) がパーティに加わりました!
![]() 紅色の生命の華が成長し、新たな絆を紡ぐ・・・ CPが 27 増加! |
![]() | Let's Ikki !! |
![]() | Next Battle |
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![]() | DUEL!! |
練習試合を開始!
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![]() | Area Message !! |
![]() | Character Data |
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