祖父母や両親は相変わらずおむつプレイに傾倒しており、四人で仲良くおむつを穿いてくだらないおむつ談義を繰り広げている。やはり質の面でいえばパンパースが一番だが経済面を考慮すればムーニーマンに落ち着くだとか、そういうどうでもいい情報が私の耳に入る度、私の頭は尿漏れ状態に陥る。お陰で私の頭は寝ても覚めてもおむつに覆われている。

そりゃあ私だって生理用のナプキンぐらい着用するけど、それは不快感を和らげるための用途、言わば守りのナプキンであって、攻めの姿勢で穿くおむつとはベクトルが違う。奴等はおむつを通して嬰児への逆行を楽しんでいるのだ。嬰児でありたいと願うことはすなわち、子孫である私への愛情と責任を否定していることに繋がらないだろうか？今はおむつだけで済んでいるが、そのうち哺乳瓶や幼児語も取り入れ始めて、いずれ完全に嬰児と化してしまうだろう。

仮に身も心も嬰児に戻るなら、それはそれでいいと思う。しかし身は成人、心は嬰児というアンバランスな存在に成り下がった場合、誰がそれを受け入れるというのか。社会は元より、自然界も奴等を受け入れてはくれない。となると、奴等の面倒を見るのは必然的に私の役目ということになる。私一人であの四人を支えていけるとは到底思えない。重みに耐え切れず、遅かれ早かれ潰れるだろう。私は四人の嬰児を抱える保護者というわけだ。