「世界を渡るというのは何度経験しても慣れないな…。」
世界を渡るときの何とも言えない感覚が嫌になる。
そんなことを思いながら頭を振る。
「さて今回跳んだ世界は一体どんな物語を紡いでくれるのだろうか…。」
その言葉を口にしつつ私は歩き始めた。

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偶然たどり着いた村でとおりゆく人々に話を聞いてみたが聞くところにによると王の圧政に腹を立てた人々が一揆をおこすそうだ。
「…フム、面白そうだな。」
気づいたらそのようなことを呟いていた。
思わず口元に手をやると笑っていることが自覚できた。
どうやら気づかぬ間にアイツにだいぶ染まっていっているらしい。
「…いや、染まっていゆく原因はアイツでなくこの名か。」
どうやらアイツが言うにはこの名には呪いがあるらしい。
呪いといってもたいしたものではないらしいが…。
そんなことを考えていても仕方がない。
おそらくアイツはこの世界にいるのだろう。
——アイツの欠片を追ってきたのだから。
そしてアイツはこの一揆に何らかの形で関わっているだろう。
——アイツは人々の紡ぐ物語を愛しているのだから（本人曰くハッピーエンドだけらしいが）。
そうと分かればやることは簡単に分かってくる。
「取りあえずこの一揆に参加するか…。」
そう呟いて私は歩き始めた。
瞳を紅く輝かせながら…。



……そういえば一揆ってどこで参加すればいいのだろうか。