——「わたし」は何年後か、何年か前の彼女。



大切な物、大切な場所、大切な人。

誰もが持っているソレはとても尊くて、価値のあるもので。・・・潰し甲斐のあるモノ。

まぁ、潰しはしないけど。

人の不幸は蜜の味とはよくいったものでどうしてそういう感情があるんだろうね。

ボクだって蜜の味を味わったことがあるし、逆もあった。


そんなことを、思い出したんだ。






「名前？セシルっていうのだ！」

よろしくなのだよ。

ルリアンナと名乗る彼女にそう返すと相手はにっこりと微笑んだ。
ああ、とてもいい笑顔だ。

とても、見たことがある、素敵な笑顔だ。

同じ兎の耳を持った・・・


いいか、この話は。
自分の実力を図るのだという。それがないとただの有象無象に過ぎないと。
あまり争い事は好きじゃないけど・・・やるしかないよね。

手に持った鞭を撓らせ、エンブリオの力を借りる。
身体が軽くなる。
力が湧いてくる。

なんでもできる、そんな気がする。


「さぁ、どこからでもかかってくるのだ！」