一揆参加者が集合している中を１人の青年がゆっくりと歩いていた。
時々立ち止まっては、ゆっくりと集まった人々を眺め、人々の思い思いな様子を観察しては一人うんうんと首を動かしている。

　—良いですねぇ。これだけの人が集まって居るは思っていませんでした。
　　　ふふ、これは良い稼ぎができそうです。—

時折、今か今かと待ちわびている人々と二三話しを交わしたりしながら集合場を回り終えた頃、女性のよく通る声が聞こえてきた。
「一揆参加者のみなさん！私はこの一揆を影でサポートする参謀！ルリアンナです！
一揆は危険が伴いますので、安全に参加できるようにちょっとしたテストをさせてもらいますね！
まずは私の面接からお願いします！みなさん順番に並んでくださーい！」
麦わら帽子をかぶった元気のよさそうな女性が手を振りまくりながら、集まった人々に話しかけているのが淳陽から僅かに見て取ることができた。
我先にとごった返す列を見ながら淳陽は、じっと列の先頭を眺めていた。
　まずは面接と言っていましたね。面接後にもなにか試験がありそうです。様子を見てからの方が何かと有利ですね。
と思いながら眺めていると、女性の後ろの方から大柄な男性が歩いてくるのが目に留まった。
大柄な男性は面接をしている女性と二言三言会話をすると、少し離れた場所で準備体操を始めた。
様子を見ていた淳陽が、次の試験はもしや。と考えたとき、１人目の面接合格者が出た。
パチパチと嬉しそうに手を叩く女性が、合格者に声をかけながら準備体操をしていた男性のほうに背中を押す姿を確認し、あぁやはり。と淳陽は思った。
実践試験もあるのでは、後々の方が私には有利そうですね。と思いながら、列の後ろの方に目をやる。そして、かなり長く続く列をみて彼はほくそ笑む。
これだけの人数がいれば確実性は上がると勝算を感じながらゆっくりと最後尾へと歩き始めた。