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一揆参戦 1日目! - Diary |
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物心つく前から彼は奴隷だった。 母と二人で前の主人から奴隷商人へと売り払われてきたのだと、奴隷仲間の爺さんから教えて貰った。 母は身体が弱く、彼は幼かったため、二人とも買い手が付かず、個別に売る話が出たことも両手の指では数え切れないが、幸いにして二人組の商品として管理されていた。 爺さんが言うには彼だけを売ると母は弱って商品価値が落ちるし、母だけを売ると誰も彼の面倒を見ないので彼の商品価値が落ちるからという理由だったが、それが本当だったのかは怪しい。奴隷仲間の幾人かは彼ら親子を何かと助けてくれていたからだ。そこに母への下心が無かったとも言い切れないが、同じ奴隷の身では手を出すことすらかなわない。ゆえに母は安全だった。 彼が幼児から少年と呼ばれる年齢に育った頃には、奴隷仲間の爺さんは商品価値をすっかり失っていた。 奴隷商人は迷った末に爺さんを自分の奴隷として買い上げる事にした。商品である奴隷の事を一番良く解るのは、同じ奴隷である爺さんだからというのが建前らしい。本音は単純に売れ残ってる爺さんを「処分」する踏ん切りがつかなかっただけだろう。 爺さんが商品管理係として奴隷の管理を任されてからは、母と彼の暮らしも少しはマシになった。爺さんは彼を孫のように思ってくれているのか、母と彼が良い待遇で買われるように尽力してくれていたが、しかし母の体調はますます悪くなるばかりで買い手は一向に付かなかった。 ある寒村で、爺さんは母と彼をこれまで以上に熱心に売り込んでくれた。 寒村の農場主や商人は、年齢の割にしっかりとした体格をしている彼だけなら買っても良いと言ったが、それでは母が生きられない。 「母さんの分も俺が働く! だから俺と母さんを買ってくれよ!」 耐えかねてそう叫んだ時、それまであまり興味が無さそうだった男が一歩進み出た。 「坊や、ここにいる人たちは君たちを商品として買いに来ている。商品は良い物をいかに安く手に入れるかが大事だ。それなのに、きみは自分だけじゃなくて働けない母親を買い取れと、より高いお金を払えと言っているんだよ。きみにそこまでの価値はあるのかい?」 「知らねえよ! でも母さんの分も働く、休みも要らないしメシも要らない!」 その言葉に周囲の大人達はどっと笑った。話しかけてきた男も笑顔だった。 「休まず、食事も取らなければ、一週間も経たずにきみは死んでしまうよ。それでは買った人は大損だし、母親も守れない」 真正面からの正論に、彼は恥ずかしくなって頬を染めた。爺さんが彼を庇おうと前に出ようとした時だった。 「でも、きみの気持ちは良く解った。私が買おう、きみとお母さんを。私の住む村はもっと北の凍土にあるが、寒いのは大丈夫かい?」 周囲の大人達が正気かとざわめいている。買われた彼すらも信じられない面持ちで新しい主人の正気を疑った。 「きみの名前は?」 「ゴード。苗字は無い」 「私はルイド・ファードライ、農場主だ。よろしく」 そう言って新しい主人はゴードの頭を乱暴に撫でると、奴隷商人に二人分の代金を支払いに行った。周囲の大人達が「ファードライ農場の変人か」「道理で」などと納得のつぶやきを漏らしていた。 今まで熱心に売り込んでくれていた爺さんが、ゴードの肩に手を置いてそっと笑いかけた。 「狙い通りの人に買われたの、これでお前さんら親子も安心だ。これでお別れだのう」 爺さんは最初から農園の変人とやらを知っていた様子だった。その事を問いただす前に、これで爺さんや奴隷仲間ともお別れだという事実の方が衝撃的で、ゴードは言葉に詰まってしまった。 「泣かんでもええ、幸せにの」 そう言って頭を撫でる爺さんの顔がぼやけていた。どうやら自分は泣いているらしい、格好悪いな、ゴードは自覚もないままそう思った。 寒すぎる事を除けば、ファードライ農場での暮らしは幸せだった。 これまで奴隷仲間から散々聞いてきた過酷な奴隷生活とはまるっきり違っていたし、同じファードライ農場の農奴仲間もこの主人は異様に農奴を大事にすると言っていた。ゴードより少し前に買われてきた農奴などには、何か裏があるのではないかと薄気味悪がる者もいたが、数年もするうちにそんな事を考えなくなっていた。考えるのが馬鹿馬鹿しくなったのだ。 農場主である主人とその家族は、食事をする時も彼らの家の中ではなく農作物を貯蔵する大きな倉庫の中で、全ての農奴と一緒に同じ物を食べた。 ゴードや同じ年頃の農奴は、週に何度か農作業を中断させられて屋敷の大広間に呼びつけられた。そこには主人の子供達や近隣の寒村の子供達も集められており、麓から呼ばれたという教師が何やら難しい事を喋っていた。 「この辺りには学校がないからね。うちの子のためだけに、先生方を呼びつけるのも悪いし、それなら近所の子供も呼んであげた方が良いだろう? なら、きみら農奴の子供を呼んでも同じだよ。いずれきみらは自分自身を買い戻して自由になるんだ、読み書き計算はできた方が良い。きっと役に立つ。真面目に授業を受けて計算ができるようにならないと、私は給料を誤魔化してしまうかも知れないよ?」というのが主人の言葉だった。 授業を受けるに当たって、農奴の子供達は苗字を与えられた。全員、ファードライ農場や近隣の地名に似た響きの苗字で、ゴードにはフィロックという苗字が与えられたが、隣の席の農奴が自分のものと交換してくれと言ってきたので、サルファードという苗字になった。 思い返せば他の大人の農奴にも、ちらほらと地名のような苗字があり、主人は何かと理由を付けて苗字を持たない農奴に苗字を与えていたようだった。 ゴードが少年から青年と呼ばれるような年齢になった頃、寒波で体調を崩した母が流行病にかかってあっけなく病死した。 弱り切った母は、それでも笑顔だった。人生の最後で良い主人に巡り会い、ゴードをその主人に託せると安心しきった笑顔だった。 病気で寝込む母や他の弱った農奴にも主人一家は優しく、医者を呼んで薬まで与えてくれた。主人の家族も看病を買って出ようとしたが、流行病が移ってしまってはいけないと農奴達がそれを止めた。 母が死んだとき、ゴードの稼いだ給金は後もう少しで母の自由を買い戻せる所まで来ていた。今年か来年には母は自由になれたのだ。自由になったとしても行く場所が無いなら使用人として農場で雇っても良いと主人一家は言ってくれていたし、事実ファードライ農場には農奴から自由な立場になっても、普通の小作人や使用人として雇われている人が大勢いた。元々は同じ農奴だったからか、ファードライ農場は主人一家以外の使用人や小作人も農奴に優しかった。 母は度々、この農場の主人は最良の主人だと褒めていた。他の農奴も、自由を買い戻す為の自分の価格が、ここに買われた時とほとんど変わらない額だというのに驚いて感銘を受けていた。他の主人を知らないゴードにはその凄さが解らないが、今が幸せだという事は良く解った。 母は農場の一角に埋められた。まだ幼い主人の子供達も泣いてくれた。兄達の泣き顔に釣られて、生まれたばかりの末娘も泣いた。 葬儀がひとしきり終わった後で、主人はこんな時に言うのは何だがと前置きをして言いづらそうに切り出した。 「お母さんの分だと言ってきみが収めていたお金は、きみの分に回しておくから、きみも恐らく来年か再来年には自由だ。身の振り方を考えておきなさい」 ゴードは驚いたが、しかしそこは頑として譲らなかった。 「折角ですがお断りします。俺はご主人様に買われる時に、母の分も働くと約束しましたし、この農場に来てからも先に母の分を全て返してから自分の分だと誓っています。母はこの農場に来て幸せだと言っていましたが、それでも私は母の自由を買いたい。肉体は自由になりましたが、魂はまだ自由にしてやれてません」 強い意志の宿った瞳だった。主人が面食らっていると、ゴードは強い瞳をふと和らげて言葉を足した。 「勿論、魂が自由になっても母はこの農場を愛し、農奴の皆やご主人様とご家族を見守ってくれると信じています」 「参ったな……なるほど、うん……うん。まったく、教育は受けさせるもんだね、ぐうの音も出ない」 そう言って主人はゴードの肩を力強く二度叩いて満足そうに歩き去った。 「ゴードはなんでおヒゲをのばしてるの? そったほうがカッコイイのに」 「髭があった方が寒くないんですよ」 少女の質問に答えながら大鎌を振るって氷麦を刈るのはゴードの日課である。 母の死から数年経ち、あの頃はまだ赤ん坊だった主人の末娘もやんちゃ盛りになっている。農作業の邪魔になるので主人一家も小作人も農奴も困り果てていたが、いつの間にか彼女の面倒はゴードが見ることになっていた。 「のうどってなに?」 「お金で買われて農作業をする人間ですよ」 「こさくにんさんとどうちがうの?」 「小作人は農場や畑の主から畑を借りて作物を作る人です。うちの農場の小作人は、麦畑や苔畑を管理する人の事で、ご主人様に雇われてる人の事ですよ」 果たして自分の答えは少女に理解できているのだろうかと疑問に思うが、少女は一度たりとも解らないと言ったことは無かった。実は質問するだけで答えは聞いてないのかも知れない。 氷麦を刈りながらでは、少女に解るようにかみ砕いた説明をするのは難しい。氷麦は凍土地方でも実る希有な作物だが、実った先から寒さにやられてしまうため、実ってから数時間のうちに刈り入れなければいけない。 「とうどってなに?」 「地面が凍って作物が取れない土地ですよ。木も生えないし草もあまりない」 「でもこおりむぎあるよ?」 「エンブリオのおかげです」 ゴードの大鎌は小気味良く氷麦を刈り取る。長身と膂力によって巨大な大鎌を振るい、生来の覚えの良さと体捌きの良さで素早く的確に刈り取る。ゴードは農場一番の氷麦刈りの名人だった。 農場で一番早く刈り終わるが、しかし他の農地に手伝いに行くには一度農場まで下りてから、別の山道を登っていかねばならず、それでは氷麦の収穫には間に合わない。そのため、氷麦は自分の割り当てを収穫できれば後は農場に戻って休憩しても良いというお達しが出ている。ゴードが主人の末娘の子守を押しつけられているのも、一番早く終わって時間に余裕があるからであった。 「エンブリオってなに?」 「お嬢、それは先週先生に習ったでしょう?」 「ならったよ!」 呆れて振り返るゴードに、少女はニカっと笑いかける。 「左側には立たないでくださいよ、切っちゃいますからね」 「ゴードのコートのひだりがわに、ウシさんのかわがついてるのはきらないため?」 「そうですよ。加減を間違って大鎌を振りすぎて足を切っちゃったドライド爺さんみたいにならないように、皮を縫い付けて備えてるんです」 「そなえるってなに?」 鎌を右から左へ振るいながら、終わることの無い少女の質問にゴードは嘆息した。 この時、確かに世界は平和だった。 それから数年、世界を統べる王が変わった—— |
Message |
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Main Action 1 |
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特にありません。 |
Battle!! |
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攻城戦を開始!
ゴード は以下を装備!
【防具】 氷麦染めのコート( 服 / 20 / - / - / - ) 【装飾】 紅六花の髪飾り( 装飾 / 20 / - / - / - ) |
▼ゴードの行動!
Critical Hit!! ラルフに 539 のダメージ! ラルフのTECが低下! ラルフのAGIが低下! ▼ラルフの行動!
ゴードに 125 のダメージ! |
▼ゴードの行動!
ラルフは攻撃を回避!
Critical Hit!! ラルフに 874 のダメージ! ▼ラルフの行動!
ゴードは攻撃を回避! |
▼ゴードの行動!
Critical Hit!! Critical Hit!! Critical Hit!! ラルフに 470 のダメージ! Critical Hit!! Critical Hit!! Critical Hit!! ラルフに 931 のダメージ!
▼ラルフの行動!
ゴードに 131 のダメージ!
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ゴードは鎌の刃を研いでいる。
4 CP を獲得! |
You can advance!! |
ネクターをいくつか預かった。
ゴード(1509) は ルリアンナ材 を獲得! ゴード(1509) は ラルフ鉱 を獲得!
そう言って、2人は去っていった。 |
Main Action 2 |
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Let's Ikki !! |
ジャック(235) は [平原]広庭 【進攻度1】(好戦度+1) を選択しました! ハチ(489) は [平原]広庭 【進攻度1】(好戦度+1) を選択しました! アウロ(684) は [平原]広庭 【進攻度1】(好戦度+1) を選択しました! ゴード(1509) は [平原]広庭 【進攻度1】(好戦度+1) を選択しました!
城門から城までは長い道が続く。 周りはとても広い庭になっていて、手入れもしっかりしている。
色彩豊かな庭園が続く——— |
Next Battle |
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Area Message !! |
Character Data |
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