一応の目的地には到着したので、まずは一安心。なんかいつの間にか茶色……ベージュ？　なんだこれ。なんか居たので連れて行く事にする。なんだろうこれ。エンブリオのノームとか言ってるけど。地面に沈んだと思ったらいきなり出て来たりと一人で賑々しい。……人なのかどうかは、今は措いといて。多分違うよな。力を貸してくれるらしいので、有り難いついでにテラと呼ぶ事にする。どこの言葉だっけ。

　城のあたりをふらふらしながらこれからどうするかを決めかねていた時に、一人とぶつかっちゃったけど、あいつも同じような感じなんだろうか。不思議な物言いをする。何となく懐かしい。色は全然違うし別人だけど。言葉が多いのはどこに行っても共通項なんだろうか。

　つらつらと色んな事を考えている間に妙な一人とその一人に呼ばれたもう一人に勝手に話に流されていた。とりあえずはそのまま流されておく事にする。状況は一応把握できた、隠棲してるわけでもないけどあんまり無関心ってのも考えものだな、やっぱり。

　これが悪い癖だとは思いつつ。
　それとなく話を聞いて、面白そうだし、首を突っ込んでみる。適当に、何か拾いものができると良いなと思うけど。どうだろうな。
　とりあえずは、さっさとやること決めて、かね。一人旅も中々飽きて来たし、ちょっとこの辺り歩いてみるか。まずは殴り合いだけど。

　行かなきゃ。呼ばれてる。

　どうして言葉を交わすことになったのか、そんなことはすっかり忘れてしまった。ただ、ふとその髪の青と瞳の翠に気づいて、目を奪われた。犬猫が興味を示すように無遠慮に顔を寄せて、まじまじと見る。

　何の前置きも修飾もなく、ただ純粋にその感動を言葉にした。