契約したエンブリオから別の世界から来た者について聞く。
どうやら「風紀委員会」という、学び舎の風紀と治安を守るための組織があるらしい。

私の名前と似ていて、さらに騎士と同じ、奉仕し治安を守る活動をしている。
そう聞けば親近感が湧いてきた。

ならばその者達を真似てみようと、持っていた動物の皮を染め腕章を作り、文字を記して装備することにした。

「『ふうき』とはその、漢字か？　漢字ではどう書くのだ？」私がそう聞くと、エンブリオは地面に「風」と書きこう言う。
「確か、ふうはこうだったな。風はよく知ってる。きは覚えてねえ」「ふぅむ」
キを漢字とは別の言語で記すのは憚れたので、一先ずエンブリオが知っていた同じ読みの「木」を記してみた。


一揆を共にする人達を集める手立ては出来た。
この一揆に参加する者は生まれた世界、文化、武器は違えど王を倒すという考えは一致しているはずだ。
「この世界の風紀を正す、この願いは他の者も同じだろう」
そう私は未来に期待を寄せ、一揆の第一歩を踏み始めた。