ひとりめ、どんびき。

ふたりめ、げきおこ。

じゅうにんめ、ぽかーん。

ひゃくにんめ、



さされた。





分割世界が一。メルンテーゼ。

そこには一つの死体が浮かんでいた。



年端もいかぬ可哀想な少女の小さな身体。

金髪のショートヘアに、棒のように細い手足。魔女のような衣装。

その喉を貫く大きなナイフ。

傷口から溢れ出る、尋常ならざる量の液体。

一目見て、死んだと判るその死体は、

ぐねり、と大きく身体を曲げて、



一回転し、

やがてのんびりと、目を覚ました。

あくびと共に、その死体はナイフを引き抜いた。

誰に聴かせるでもなく、ゆったりとした雰囲気のまま、
少女はぽつぽつと独り言を紡いでゆく。

喉からごぼりと流れる大量の血も、やがては止まる。
死にたてとは思えないほどに、少女は何処かスッキリしたような血色のよい顔色をしていた。

無邪気な顔で、少女は嬉しそうに呟く。





分割世界が一。メルンテーゼ。

そこには一人の少女が居た。

まだ幼さを残した、小柄な子供。
三つ編みに眼鏡、地味ながらも落ち着いた服装の、ごく普通の乙女といった風体である。

怒りを込めた顔で、少女は密かに叫ぶ。

40cmほどの大きさの人形がゆっくりと二足歩行で近づいてくる。

スカートの裾をつまみ一礼。

首を傾げた人形が急に宙へと持ち上げられる。
つまみ上げたのは、身長は170前後、青髪の耳長。