姉さんへ

僕がこの学園にきてから、いろいろなことがあった話はしたよね。
またか、と言われてしまいそう。どうせ、姉さんのことだから皆に話したりしたんだろ。(やめてっていっても無駄なことくらい知ってるよ)

少し前に、学園に妙な扉、というか変な空間ができて、僕は今、学園ではないところにいます。なんといえばいいんだろう、似てるんだけど、違うところ。空気が違う、というか、今まで使っていた魔法が何一つ使えない。父さんが言うところの違う言語、法則がありそうな・・・・・・そういうところなんだ。魔法元素が固まりになって、それが生き物みたいにいるなんて、不思議だと思わない？
光を放つ、精霊みたいな子が今僕のそばにいるよ。どうやら力になってくれているみたい。
僕がここに飛ばされてきたとき、学園から他の人の影が吸い込まれるのが見えたから、他にもたくさんいるはずだ。
その人たちとまず、合流してみようと思う。

何度もいうけど、いつも母さんに言われてるみたいに
危ないことはできるだけ避けるから、皆に心配しないでって伝えておいてくれないかな。
また、落ち着いたら手紙を書くよ。

————どうか、届きますように。　　　　　　アルシエル