この村に漂流してひと月。
話題は大規模な一揆の件で持ちきりとなっている

僕はこのひと月。療養と情報収集をしていた
漂流した村の村長が良い人で助かった。
分かったことを箇条書きで書いていこうと思う

・この世界と僕の居た世界は別物である。
メルンテーゼという名前は僕の世界にはどこにもなかったはずである。
更に周りの人にクレイアロウの事について尋ねても聞いたことがないという。

加えて、ネクター・エンブリオ等の存在だ

・エンブリオとの契約について
アニマと契約をした。
男性から見た女性のイメージ。と呼ばれるものらしい
……いまいち分からない。
女性の扱いをこの際覚えろ。と父の薦めを受けて、
食事会で女の子をエスコートしようとした事を思い出した。
……結論から言うと。父を満足させられるようなエスコートではなかったらしく。ポカリと頭をやられた

・大規模な一揆について

現在の王がネクターを独占している。
ネクターはエンブリオと契約するのに必要なものだ
エンブリオを力を借りて生活している人たちにとってはこれは死活問題なんだろう。
よって、多くの人びとが反乱を起こす運びとなった。
そのために、別の世界から援軍を呼んでいるらしい

僕は呼ばれた人間なんだろう。
しかし、呼び出した人間については判明しなかった。

国が混乱する。ということは稼ぎどきである。と父は言っていた。
それ即ち、国が民を守る力が衰え、治安が悪化するからである。
自然、海賊や盗賊などが増える。
つまり、稼ぐには絶好の機会なのである。治安が悪くなっても商人はものを輸送せざる得ないからだ。
アウトカムズ家は代々そういった者達から依頼人を警護し、報酬を貰うことで生計を立ててきた。
現在の生活は自分が異世界からの援軍だとわかってるから保護されているのであり。王権を打倒したあとはどのような扱いを受けるか分からない。
誰が僕を呼び出したのかも分からないため、元の世界に戻れる保証すらない。
なんとか生計を立てる必要があるのだ。
問題は社会的信用が無い点だ。11歳の子供の「商隊を護衛したい」と言われてもつまみ出されるのがオチ
この一揆に参加して名を挙げることで信用されるようにならないと

レジスタンスたちと協力することでこの世界の美術品の情報を集め、それらを観覧。あわよくば収集するのが本当のところだったりする。
父は僕の趣味を快く思っていないのでこれまで大っぴらに行動できなかったが、これは最大のチャンスだと思う。活かそう

少し情報を集めていた。気になったものを記入していく
女神ラヴナオリティスの聖杯は澄んだ瑠璃色の杯で、聖杯に入れた液体は全て神水となるらしい。
星屑の小川にある洞窟内に隠されているという話だ
売れば都市が幾つも買える値段になるらしく。冒険者らしき人たちが取らぬ狸の皮算用をしている
冗談じゃない！そんな金目当ての連中の手に渡す訳にはいかない
神の奇跡とまで称される一品を食器に使わせるなんて言語道断だ！
早急に平原を突破して小川へと向かう