「あれ、なんでお姉ちゃんいるの？結婚式行ってそのまま二次会使って婚活してくるから3日くらい帰らないとかって言ってたじゃない」

久々に山から連絡が入って、何やら皆でゲーム大会するとかっていうからゲームキューブ持ってホイホイ来てみたら何故かお姉ちゃんがいた。
まさかあのくっそ真面目なお姉ちゃんが仕掛けたドッキリ？
実はこっそり私のバイト中にガチャフォースをやり込んでいたというの…？
まさかの刺客にwktkが抑えられない。

というわけではなく、どうやらお姉ちゃんは此処で結婚式があるらしいと手紙を届けられたとのこと。
ふふ、お馬鹿なお姉ちゃん、今時の妖怪が人里の華やかな結婚式を知ってなお此処であげるわけがないじゃない。
私達と何時ものおっさんたち以外に誰もきていない此処でやるわけがない。

「…うん、私も騙されたんだね…」
『お前たち以外も呼んだんだがな、誰も来やせん。お前たちは素直で助かる』

わぁ褒められた、死にたい。

「…騙してまで呼んで一体なにをさせる気？まさか山に帰って来いなんて言わないわよね、やーよ、うちはクーラーの聞いた部屋で平日の昼間っからゴロゴロしてゲームやってたいんだから」
『そんなつもりはなかったが、働いてないならこっちに帰してもいい気がしてきたな』
「超バイトしてる！うちが居ないとシフト回らない！」

もっとも1月前までの話だが。
ぬらりのおっさんが私を捕まえ話しだす。

『実はな、ちょっとお前に頼み事があってな』
「うちに用ってお歳暮の片付けとか？」
『ちょっと旧知の友人が困っていてな、若い人手が欲しいと言われてな』
「へぇ」
『行ってくれんか』
「お願いって、入り口塞いで軟禁状態で言うことじゃないと思う」
『まぁお前がどうしても嫌なら止めやせんが、今後の仕送りについては考えさせてもらう』
「…何日くらいですー」
『なにほんの二、三日じゃろうて』

お姉ちゃんの顔をちらっ見るが、うちとは違い悲しみとやる気に満ち溢れた顔をしている。
ああ、これはもう何言ってもダメだ。

「まぁ、それなら…」
『無論ただでとはいわん、帰ってきたあとには褒美もやるし、とりあえず今はこれをやろう、お前さん好きじゃろ？』

そう言われて数十枚のゲームディスクを私は受け取ったのだ。



そして今ここにいるわけだ。
ルリアンナという子がいうには一揆に加勢しろという。
え？一揆？今のこの時代に一揆？
エンブリオはもう持っているのね、まぁ大丈夫でしょうと言われる。
エンブリオ？私が持っているものなんて今ゲームキューブくらいしか…
そして次いで現れるいかつい髭のおっさん。腕試しをするという。
腕試し？まさか腕力勝負？冗談きついことを…

あ、これまずいマジだ、え、これはもうガチで戦うしかないの？