刀使いの赤黒い九尾狐。
和国に生まれた双子姫の妹の方。姉は鈴姫。
左目は幼い頃に怪我をして見えない。

彼女がここに訪れた理由、それは
何も告げずに忽然と姿を消した姉・鈴姫の捜索である。

彼女の姿が消えたその日から、親が、国が、彼女を捜したが、
その姿が見つかる事はいつまでも無かった。
誰かに攫われたのか、はたまた
自らの意思で国を飛び出したのか、理由は分かっていない。
僅かの手がかりも得られぬまま時が流れ、いつしか死亡説まで囁かれるようになった。

が、綾姫はソレを認めない。

認めたくないのではなく、それには理由がある。
双子の妹である綾姫は、幼い頃から姉の存在を感じる事が出来るのだ。
例えば、かくれんぼの時、姉が迷子になった時、
姉のオーラを感じる事が出来る綾姫は、直ぐに姉を見つける事が出来た。

そして、姉が行方を晦ました今も、姉の気配を感じる。
姿を見る事は出来なくとも、姉は何処かで確かに生きている、と
綾姫はそう確信していた。

斯くして綾姫は、いつまでも戻らない姉を自らの力で捜索する事を決意した。


綾姫は、様々な魔法を使う事が出来る。
例えば、転移魔法。
空間に穴を開け、そこから遠い何処かへ出掛ける事が出来る。

綾姫はその転移魔法を駆使し、姉の気配を追って
あちらこちらの世界を探しまわった。
探し回った結果、姉のいた痕跡を発見する事が出来た。
姉は確かに生きているのだ。

だがいつも一足遅く、姉の痕跡を見つける事は出来ても、
姉の姿を見つける事は出来なかった。

しかし、大好きな姉をソコで諦める事など出来ない。
綾姫はめげる事なく姉の捜索を続け、今度は
この世界・メルンテーゼへと辿り着いた。
そして、多様な人々が集まる一揆の噂を聞きつけ、
姉を知る者を探すべく一揆に参加する。

それが、彼女がここにいる理由。




そしてこれらは表の顔であり、一部を除き全てが偽りである。




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