大声で私の名を叫びながら此方へと駆け寄ってくるポーちゃんを見ながら彼女に問いかける。
何やら大事そうに袋を抱えてるのを見ると気になって首を傾げた。

袋から取り出したのはおにぎり数個が入ったお弁当箱。
其れを差し出すポーちゃんの顔は何だかキラキラと輝いていて子供のような視線を向けている。

嬉しいけれど、他に自分の事に使っても良かったんだよという事までは言わずに飲み込む。
…おにぎりを貰えたのは凄く嬉しい。
だからこそ、こんないいこなポーちゃんには自分の好きな物を買って欲しいかもと思ってる自分も居たのだ。

それだけで私は嬉しいぞ！と付け足すポーちゃんを見ればクスクスと笑う。
私が難しく考えすぎてたのかもしれない……ポーちゃんの頭を撫でると頷いて。

一緒に片手を挙げて気合を入れると、声が周りに響く。
その声が消えてお互いに笑顔を浮かべてから、今日の探索を開始したのでした。