星屑と冠される美しい小川ではセイレーンと龍魚に出会った。
その戦闘能力に関して特筆すべきことはないだろう。
彼女らの真に恐るべきところはその魔歌に秘められた魅了の魔力にある。
私は、そしてアナスタシアも危うげなく乗り切ったが、もしも術中に陥ればただでは済まないところだ。

どうやらアナスタシアはセイレーンを連れて行くつもりらしい。
歌が好きとのことなので波長が合ったのだろうか。
ともあれ道中の楽しみが増えたことは喜ばしいことだ（セイレーンは隙あらば歌いたがる。聴く分には素晴らしい美声なので、時と場所を間違えなければ最高の娯楽だ）。

またアルダノクトの魔力も日増しに強大なものとなってきている。
闇が深まるばかりということには一抹の不安を覚えるが……まあ良い。
私が制御を誤らなければ問題ないだろう。