えねり「ん・・・。何か入り口のほうで音が。」

体を起こして入り口のほうに目を凝らしてみるとなにかがこそこそしている。

えねり「ユックリなの？とってきたの？」

ずる・・・ずる・・・。

何かを引きずっているような音がする。
いやな予感をしたえねりは重い体を引きずりながら入り口まで這っていく。

えねり「ちょっと！あんたどうしたのひどい怪我じゃない。」

エネリ、エネリ。

えねり「今修復するから待ってなさい。」

すぐに修復の魔方陣を地面に描くがマナが足りずに発動しない。

ＰＳトッテキタヨ

頭の上に乗せてあるＰＳの重みにすら耐えられずゆがみながら言う。
袋をどけてやると少し丸く戻ろうとするがへこんだまま戻らない。

えねり「どうしよう、このＰＳだけじゃ治せない。」

ユックリスゴイ？

崩れ落ちながらいつもの調子で話してくる。

えねり「ええ、すごいすごい。」

それを聞くといつものようににっこりと笑って。

ユックリモットガンバル

そういい終わると完全に動かなくなった。


「こんな所に飼い主が居たとはな」

ゆっくりと入り口のほうに目を向けると人が数人立っている。

えねり「そう・・・あんたたちの仕業ね。」

「おいおい、まるで俺たちが悪者みたいな言い草だな、この盗人が。」
「こいつを使って俺たちから金を盗みやがって、ただじゃおかねぇぞ。」

そういいながら男の足が崩れたゆっくりを踏み潰す。

えねり「・・・その汚い足をどけなさい」

「ははは、どかしたければ自分でどけてみろよ。」

えねり「そう・・・」

ビシッと音を立ててＰＳが砕けエネリの周囲に溶け込む。

「お、おい。様子が変わったぞさっさとやっちまおう。」
「馬鹿言えこっちは5人,たいして小娘が一人びびるこたぁねぇよ。捕まえて売り飛ばさなきゃ割に合わないだろうが」


えねり「絶対に許さない。」

ゆらりと立ち上がるとエネリは空に魔法陣を描いた。

えねり「リアライズ・バハムート！！」


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えねり「みたいなストーリーはどうかしら結構いけてない？」

ゆっくりえねり「ご主人、私死んだ上に踏み潰されてるんですが・・・。」

えねり「わかってないわねー。それぐらい過激な描写の方が盛り上がるのよ。」

ゆっくりえねり「それにバハムート呼べるマナがあるなら私を助けてくださいよ。」

えねり「そこはあれよ、最愛のゆっくりを失った怒りによって内なる力が解放されたーとか自分の命を削ってでも復習するーだとかそういうアレよ。」

ゆっくりえねり「ずいぶんなご都合主義ですね。そもそもの話、私が一揆に参加するための仮の理由付けがほしいって言ってたのに死んでたらダメじゃないですか。」

えねり「それはー・・・あれよあれ。このあと悪漢どもをばっさばっさと倒したかっこいいエネリさんがもう一度ユックリを呼び出してお帰りとでも言えば心温まるハートフルなストーリーの出来上がりよ。うん、われながら完璧だわ。」

ゆっくりえねり「で、それをすることのメリットは。」

えねり「私の株が上がるわ！」

ゆっくりえねり「・・・そろそろ決起の時間なので行ってきますね。」

えねり「あ、ちょっと今のストーリーめもらなくて大丈夫？一字一句間違えないでよ！」

ゆっくりえねり「はいはい、まぁ適当にやりますよ。ご主人はそこでゴロゴロしといてください。」

えねり「あ、大事なことを言い忘れてたわ。」

ゆっくりえねり「ん・・・なんです？」

えねり「お土産は温泉饅頭がいいな。あと名物的な何ｋ」

ゆっくりえねり「行ってきます。」


ゆっくりえねり「とはいえ・・・私の能力はあのふがいないご主人のせいでひどいものですしとりあえず馬鹿っぽく無害な生物でも装っておきますかね。」