少し記憶が戻ったマリーさんから、シルクの強化改修案を出されました。
　一緒にいる時は私も時々メンテナンスはしてきましたけど、私の都合上どうしてもシルクは単独で動く期間の方が長くなります。
　シルク自身もセルフメンテナンスが可能ですが、それでは限界もありますし。
　なので、オーバーホールついでに改造してしまおうというお話です。
　難しい所にまで手を入れることになりますが、横でサポートして頂くことを約束していただきましたので、私でもどうにかなるかもしれませんね。
　とはいえ、私自身の技術はそうでもありませんので、無茶なことをやらされなければいいのですが。

　そうそう、そういえば変なことを言われました。
　マリーさんいわく、私に対して変な思念が向いているとのことです。
　こういった直感力や洞察力ははとても秀でていましたね。
　恨まれたり憎まれたり、そういった心当りがないかと聞かれましたが、生憎私は人畜無害な羊です。
　ですので、前の私の旦那からの愛でしょうかね、と冗談めかして返したら真っ赤になって照れてました。
　研究一筋だったとはいえ、マリーさんもこういうところ乙女なんですから。

　生い立ちは似てますけれども、私達が歩んだ道のりはだいぶ違うようです。