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ねえさんへ


そっちは日差しが弱くなった頃でしょうか？
すっかり冷たいものばかりでばててない？

お願いがあって、また手紙を書きました。

こっちにきて、エンブリオという精霊に力を借りているって話、なんどかしたよね。
僕が力を借りている子達に、先日名前をつけたんだ。
何度もきくんだけど、ごまかされてて
ついこの間、名前がないって教えてもらったんだ。

金の光を持つ、小さなふかふわなカノープス。
青白い鳥に似た、杖のケージが好きなスピカ。
花のような翼を咲かせる、歌が好きなアトリア。

いろんな姿の子達がいるみたいだけど、
僕が仲良くなった子達はね、なんだか力の塊みたいなんだ。
ふわふわ現れて、しゅっと消える。
ルチルだったら片手でぶしゃってつぶしちゃいそう。

手のひらに乗るくらいのちいさい子なんだけどね、
癒しの力をかしてくれるんだ。
でも、それだけじゃ足りない。
皆少しずつ傷跡が残るし、魔法だけじゃそういうのは消せないみたいなんだ。

だから、できるだけたくさん、
書きなぐりでいいから、薬草のメモを作ってくれないかなあ。
応急手当くらいだったら、僕にもできるはずだから・・・・・・


ねえさんも忙しいのにごめんね。
こんなことになるなら、母さんの手当て講習もっとしっかりうけとくんだったよ。


サダクビアの皆以外にもね、
たくさん、友達ができたんだよ。
外の世界って広いね。


次は、もっと楽しいことも書くようにするよ。
ねえさんにも、いろんな姿がわかるように



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アルシエル

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「何をしてるんだ？」という少女の声がする。

慌てて手紙をまとめ、コートの下に隠す。

　　　　　　　ててて、と少年は楽しそうに駆け出す。
　　　　　　　器用に木の根を避けながら、コートの裾を翻す。

（くすくすと笑っている）

どこから取り出したのか、リュートを手に取り旋律を奏ではじめる。
レンドランが歌いだすと、それに応じるかのように周囲の草花が踊りはじめる。恐らく霊鳥の力だろう。

（手袋を着用する