舗装された歩きやすい道を歩いてきたら、なんか、広場に出た。
なんか、庭である。
「えー……。」
なんか想像してたのと違う、と不満声をあげたときだった。

むんず。

後ろから首根っこをつかまれる。
「えー……。」
さっきとは違う意味で、全く同じ不満声をあげようとすると間もなく、
「駄ネコウモリ、オマエなめてんのか！」
と叱責される。
「・・・はぁ？意味不明な暴力反対！」
お相手はいつものごとくイチジク。
広場に出たのがお気に召さなかったらしい。
「別にいいじゃん。広場だろうが、平原だろうが。そこがなんか庭であろうが。」
と、自分も「想像してたのと違う」と思ったことは置いておいて、反論する。
ホンニンはそのほうがきっとイチジクのためでもあるよね(*˘︶˘*)
という気持ちでいるが、果たしてイチジクのためになっているのかいないのかは謎である。
先ほど放してもらえた首をさすりつつ、
「とりあえずあそこにヒトがいるし、聞いてみようよ。」
と提案する。
そこには、なんか、暑苦しい鎧を着た兵士がいた。

（つづく）