運に頼った戦いだった。
　キラーウルフを倒してしばらくは、その場に立ったまま、呆然としていた。
　まさか勝てるとは思わず、
　これほど、後に残るような興奮を感じるとも思わなかったから。

　倒したうち一体に、手持ちのネクターを差し出す。
　どれほど扱えるかは分からないものの、
　一人で進む道中、僅かでも、仲間の数は多い方が寂しくない。



　戦いを終えたあと、食料調達に池へと向かった。
　鮎を釣る。スッポンとは違ってきちんと調理出来るものが釣れて、安心した。
　食材も金も無いけれど、それでも、食事だけはきちんととっておきたい。














　道を進んだところでキラーウルフに出くわす。

　一度は二匹を倒せた——
　とはいえ、あんな風に殺意を剥き出しにされると、
　足が震えてその場に座り込みたくなるほど怖い。

　緊張で胃液が上がってくるものの、
　倒さなければ倒されるだけ。やるしかない。
　昨日の方がよほど酷かったのだ。なんとかなる。多分。

　……倒せたら、そろそろ涼しそうな場所に行ってみたい。
　ユハに教えてもらった水辺とか、立ち寄ってみようかな。

少女は上を向いてしばらく小さく笑った後、
もう一度あなたに向き直った。

楽しげに歌っている。