一揆のことについて考えていたら、どうやら必要以上に音を立てていたらしく、二人（単位があっているのかな？）に襲われてしまった。

　一人は筋肉質な男性の姿をしたじゃがいもさん。ラルフさんより怖い！というより気持ち悪い！
　でもなんだか、前にもこういう人と戦ったような気がした…あの時はりんごさんだったような…。

　もう一人は、顔に傷跡があり、とてもすごい迫力のあるオオカミさん。その口から発せられる台詞も、経験豊富な感じがした。

　そんな相手に最初は勝てないと思っていた。でもエンブリオさんが力を貸してくれたお陰で勝つ事ができた。


　エンブリオって、すごい力を持っているんだなぁと思う。それを独り占めしようとする王様って一体何を考えているんだろう…。
　
　物語で読んだ、強い力を独占しようとする人は大抵が悪い人で、良くないことを企んでいた。

　もし、ここの王様もそうだとしたら…。どちらにせよ、エンブリオはここの人たちにとって無くてはならないものであり、一人のものになるのはおかしいことだから…。誰かが止めなきゃだめなんだと思う…。

　でも、僕にはそんな力はない。エンブリオさんの力を借りても…。


　そういえば、戦ったオオカミさん——もとい、キラーウルフさん——はエンブリオさんだった。

　「アンタの敵はオレが殺ってやるよ（多分表記はこうだと思う）」なんて物騒な事を言っていたけど、味方のエンブリオさんが増えるのはとっても頼もしい。


　本当は、にいちゃんがそばに居てくれるのが一番いいんだけど…。

強面の獣人はククッ、と笑いをこぼす。何かを企んでいるのだろうか。

小さく笑う。

＞考え事をしている中での襲撃に焦りを隠せないようだ…。