Vanetta's Diary - Page.5

メルンテーゼ観光のつもりが完全に戦闘に明け暮れてから５日目。
今日まで、敵勢力兵士の集団に一度だけ遭遇した以外は、明らかにただの掃除（過激な方）です本当にありがとうございます。

いや、別にいいのよ。変に強い相手が出てくるよりはさ。そこそこ楽に確実に前進してるし。
ただね、やっぱり少し変化が欲しいなーっていうのもあって。
かと言ってあんまり無茶苦茶な事があっても困るし、丁度いい刺激っていうの？
我ながら書いてて贅沢だと思うわ。こんな状況なのに。

今から他の地域にトライっていうのも悪くはないんでしょうけど、
一応今の所先頭集団にはついてってるし、足止め食らった訳でもないのに
自分からドロップアウトってのも何か悔しいものが……ぐぬぬ。

ま、最初に選んだのがここだから、大人しく行ける所まで頑張っていきましょうっていうのが結論なんだけどね、うん。
なんか全然実感ないけど、これでも戦争だし、安全に進めるならそれに越した事ないものね。
これでこのまま王城まで無事到達しましたとかだったら、それはそれでさすがに……いや、それが一番いいんだけど……
平和になれば観光もゆっくりできるでしょう。そう思って、私達でもそうでない誰かでも、
侵攻しやすい環境は歓迎という事にしましょう。

槍と服の換えを準備。
素材については数日前ルリアンナとラルフから貰ったまま袋の中で腐ってる素材を使用。
質は悪くないし、わざわざ固有名詞で呼ばれている
──これが大事。ただそれだけで存在強度が大幅に増加する、はず。ユニークネスとも言う──
から、長く使う物の素材には向いてる、と私の経験が言ってる。間違ってない気がする。怪しいけど！

加工については……どうしましょう。これだけ周りに人数が居れば腕のいい作製士は居ると思う。
手間賃まで捻出するとなるときついかもしれないけど、そこは翌日限定じゃなくて数日内とすれば、なんとか。

拠点に飾ってあるそこそこいいお値段のお守りや、
なんか変な効果があるらしいルリアンナとラルフの人形なんかも、
付加された力による能力補助を思えば仕入れておきたいけど、
見た目に騙されずしっかり効果を見て値段つけられてて、現状手が出ないわね。
新調が終わって余裕が出たらにしましょう。

遠慮なさげな視線に、思わず緊張して身体を強張らせてしまう。

貴女が近づいても、貴女に向けられる視線はそのままに。

貴女が話しかければ、詩人は演奏をやめ、静かに瞳を閉じました。
それから、ゆっくりとその瞳を開いて、

リズムも緩やかに、呟くように歌い始めました。
どうやら、詳しく説明してくれるわけではないようです。

じーっと貴女を見つめて、そう続けました。

『巻き込まれ型』という言葉に苦笑を漏らして、

ヴァンエッタの槍技に軽く口笛なんか吹いたりして、

そこまで言ってヒナカは苦笑する。

そう言ってヒナカは槍をさながら野球のバットのように構えると、テイクバックしながら、槍の柄の先に向けて何事かを呟いた。

怒号とともに槍を薙ぎ払う。スイングを始める瞬間、槍の穂先のあたりにエンブリオ・シェイドの姿が現れその力を行使した。
元々のスイングスピードの速さに加え、シェイドの力が加わったその一撃のエネルギーはそれなりのものだったようで、あたりには緩やかではあるものの確かに一陣の風が吹き抜けた。

ヴァンエッタはキラーウルフの耳をこしょこしょ撫でている。