「呼び出したりして、すまなかったな卍人」
僕の目の前にいる渋いおじさんは　芸名：煌　当夢 （ふぁん　とうむ）と言う。
「いいですよ、座長。　何かお話があるんですか？」
僕が所属している劇団　怪燼座　の座長でもある。
「ああ、大した事じゃないんだが……最近、忙しそうにしてるなぁ　と思ってな」
「最近ちょっとした趣味が増えまして。
　そっちに熱を上げちゃってるかもしれませんね。
　稽古時間とかは減らしてないんですけど……？」
ひょっとして、演技の方に支障が出てきたのだろうか。
どっちかって言うと勉強時間の方を減らしてたんだけど。
「ん、いや……生活に張りがあるのは良い事だ。
　何かに刺激を受けているせいか、演技にも熱が入っているしな」
よし！問題なさそうだ。
「ただ……その、アレだ。
　危険な事とか人様に迷惑をかけるような事は、してないよな？」
「やだなぁ、座長……そこまでやりませんって」
危険な事はやってるわけだけど。
「それに、お目付け役でガル君も一緒にやってますし。
　彼なら僕の暴走も止められるでしょ？」
「ああ、あの青年か……ふむ、それなら大丈夫そうだな」
あれ？
「ひょっとして、僕よりガル君の方が信頼度高い……？」
「そうかもしれんな」
「ちょ、座長！？」
「冗談だ。
　人には　役回り　と言うものがある。
　お前は気にせずに突っ走っていろ……きっと、それがお前の持ち味だ　卍人」
「もちろん。
　僕は回りに居る人に笑顔になって欲しいだけですからね！」
それが僕の理想のヒーロー。
少しでも多くの人に笑っていて欲しい。ただ、それだけ。
「その為だったら、道化でもなんでも演じてみせますとも！」
「じゃあ、もうちょっと演技の勉強をしないとな」
「うへぇ……。
　あ、そうだ。夏祭り用の衣装を用意してもらっても構わないですか？」
「ああ、構わんぞ。
　衣装係りに直接かけあってくれ」
「なら、問題ありません。　手配済みです！！」
「そういう要領は、本当にいいよな……お前」
座長は苦笑しながら喋る。
でも、なんだか楽しそうだ。

「そうやって、馬鹿をやるのが僕の持ち味ですから！」

しかし、ニヤリと笑って。

*背中におぶるつもりだ*

＞ティシアさんへ
*差し出された眼帯を受け取る*

猫カフェよりも気軽な感覚で、エンブリオに会いにきやがったようだ

ふふふっ……　妖艶そうな笑みを浮かべた

*ピクッと微かに眉が動く*

　　　　　　手を離せば、握っていたはずのはたきは消える。

*何かを発見して嬉しそうだ*